そしてそれら4つのモデルは、いずれも機能や性能、価格に至るまで大きな違いがあります。そこで各モデルの最新機種で機能・性能を確認しながら、それぞれのモデルの特徴について説明していきましょう。
なおこの記事は2024年5月時点の情報を基に作成していることから、比較対象の機種は以下となります。
・Xperia 1 VI
・Xperia 5 V
・Xperia 10 VI
・Xperia Ace III
Xperiaシリーズ4機種の機能・性能をチェック
それでは、各モデルの機能・性能を比較してみましょう。・ディスプレイとサイズ
まずはディスプレイとサイズですが、Xperia 1 VIはディスプレイサイズが約6.5インチと大画面で、Xperia 5 VとXperia 10 VIは約6.1インチのスタンダードなサイズ。Xperia Ace IIIは約5.5インチと、よりコンパクトなサイズとなっています。 またXperiaシリーズは従来、映画を視聴しやすい21:9比率という縦長のディスプレイが特徴で、Xperia 5 VとXperia 10 VIはその比率を維持しているのですが、Xperia Ace IIIは19:9、Xperia 1 VIは19.5:9という比率を採用しています。
とりわけXperia 1シリーズはXperia 1 VIで、従来強いこだわりを持って採用してきた4K対応・21:9比率のディスプレイを大きく変更しているだけに、今後他のモデルも画面比率が変わる可能性がありそうです。
映画視聴を重視し、4K画質・21:9比率のディスプレイにこだわってきたXperia 1シリーズだが、「Xperia 1 VI」はそのセオリーを覆し、FHD+画質で19.5:9という、一般的なスマートフォンに近いディスプレイに変更している
・カメラ
Xperiaシリーズの大きな特徴でもある背面カメラは、最上位のXperia 1 VIが広角・超広角・望遠の3眼構成。加えて望遠カメラは焦点距離が85~170mm、つまり3.5~7倍の光学ズームに対応しているので、遠くの被写体も画質を劣化させることなく撮影可能です。 Xperia 5 Vのカメラは広角・超広角の2眼構成ですが、Xperia 1 VIとXperia 5 Vは共に、ソニー製の最新イメージセンサー「Exmor T for mobile」を採用。暗い場所でも非常にきれいな写真を撮影することができます。 Xperia 10 VIもXperia 5 V同様に広角・超広角の2眼構成ですが、これら3機種はいずれも広角カメラの画素数が約4800万画素と高いので、その画素数を生かして光学2倍相当のズームも実現可能。それゆえ望遠カメラを搭載していないXperia 5 VとXperia 10 VIでも、画質が劣化しない2倍ズーム撮影が可能です。 一方、Xperia Ace IIIは約1300万画素の1眼構成と、カメラの性能は最小限に抑えられていますが、被写体に応じて最適な設定を適用する「プレミアムおまかせオート」などの機能を搭載し、手軽に撮影しやすくなっています。
・プロセッサとRAM
本体の性能を左右するプロセッサとRAMの性能を確認すると、Xperia 1 VIはクアルコム製でハイエンド機種向けとなる最新の「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載し、RAMは12GBまたは16GBと大容量。Xperia 5 Vは同じハイエンド向けながら1世代前となる「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、RAMは8GBとなっています。
Xperia 10 VIは同じクアルコム製で、より下のミドルクラス向けとなる「Snapdragon 6 Gen 1」を搭載しており、RAMは6GB。Xperia Ace IIIはその下のクラスとなるローエンド向けの「Snapdragon 480」を搭載し、RAMは4GB。かなり性能に違いがあることが分かります。
・生体認証とバッテリー、その他
スマートフォンで重要な要素となるバッテリーは、Xperia 1 VI、Xperia 5 V、Xperia 10 VIの3機種が5000mAhで、Xperia Ace IIIは4500mAhのものを搭載。いずれも現行のスマートフォンでは大容量のものを採用していますが、とりわけXperia 1 VIは4Kディスプレイをやめたことによって、バッテリー消費が減り電池持ちが大幅に向上しているようです。
また生体認証は4機種共に指紋認証を採用しており、いずれも電源キーに指を当てて認証する仕組み。他にも「おサイフケータイ」の利用に欠かせないFeliCaや、IP68の防塵・防水性能は4機種共に備わっており、日常利用でも十分安心して利用できる性能を持ち合わせていることが分かります。 なお、スマートフォンで欠かせないモバイル通信に関しては、4機種共に5Gに対応。SIMはXperia Ace IIIのNTTドコモ版のみ物理SIM(ナノSIM)×1のみとなりますが、他社から販売されているモデルや、他の3機種はいずれもナノSIMに加えeSIMにも対応しているので、2つの回線を同時に使用することも可能です。
・価格
最後に価格ですが、スマートフォンは販路によって価格が異なることから、ここではオープン市場(いわゆる「SIMフリー」)で販売、あるいは販売予定の3機種の価格を提示しておきます(注釈がない限り、2024年5月26日時点でのソニーストアでの販売価格)。
・Xperia 1 VI:18万9200円~21万8900円
・Xperia 5 V:13万9700円
・Xperia 10 VI:7万円前後(※オープン市場向けは2024年7月発売予定なので、市場想定価格)
なおXperia Ace IIIはオープン市場向けモデルが存在しませんが、過去の情報を確認しますと、発売当初の価格はおおむけ3万円台だったようです。
誰にどのXperiaがおすすめ?
こうした機能・性能の違いから、Xperiaシリーズの4モデルがどのような人に最適かを見て取ることができます。・Xperia 1シリーズ(Xperia 1 VI)
Xperia 1シリーズはカメラやプロセッサの性能が非常に高い一方で、値段も非常に高いことから、やはりスマートフォンのカメラや音楽、ゲーミングなどに強いこだわりを持つ人が選ぶべきモデルといえるでしょう。
とりわけXperia 1 VIは暗い場所やズーム撮影にも非常に強いことから、スマートフォンで写真や動画を撮影しているプロ・セミプロのクリエイターなどにはベストな選択肢といえそうです。
・Xperia 5シリーズ(Xperia V)
実はXperia 5シリーズは、Xperia 5 Vでその位置付けが大きく変化しており、現在はカメラやオーディオなどの性能にこだわりながらも、より低価格でカジュアルにスマートフォンを利用したい人に向けたシリーズとなっています。
プロセッサやカメラ性能の高さと、10万円台という価格を考慮するならば、一般的なスマートフォンよりも優れた性能が欲しいが20万円は支払えない……という人に良い選択肢となるでしょう。
・Xperia 10シリーズ(Xperia 10 VI)
Xperia 10シリーズは機能・性能的にも、機能・性能などに強いこだわりはないが日常で快適に利用できるスマートフォンを欲している人にベストな、“ど真ん中”のモデルといえるでしょう。
しかもXperia 10シリーズは横幅が70mmを切ることから、片手でスマートフォンを利用することに重きを置く人なら満足感が高いといえます。
・Xperia Aceシリーズ(Xperia Ace III)
Xperia Aceシリーズは機能・性能も抑えられているものの、過去のシリーズを見ても2~3万円台で販売されていたので価格は非常に安いことから、シニアを中心としたスマートフォン初心者が最初に手にするモデルとして適しているでしょう。
ただしXperia Ace IIIは2022年発売とやや古いモデルで、既に販売を終了している店舗も多いことから、新機種の登場に期待したいところです。