家計簿・家計管理

注意したい「リバースモーゲージ」のデメリットとは?

みなさんから寄せられた老後のお金についてのさまざまな疑問や悩みに、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、リバースモーゲージを活用する時の注意点や類似するサービスについてです。

All About 編集部

みなさんから寄せられた老後のお金に関するさまざまな疑問や悩みに、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、将来的にリバーズモーゲージを考えている50代後半の男性からの質問です。
 

Q. リバースモーゲージの良し悪しや、類似サービスがあれば教えてください

「夫婦二人暮らしで相続人がいないので、将来的にリバースモーゲージ等を活用してみようかと考えています。そのメリットやデメリット、類似するサービス等を教えていただきたいです。現在は、不動産を除いた資産を死ぬまでに使い切るような見立てでおります。なお住宅ローンは完済しており、借り入れはありません。物件は都内の一種低層地域(※)で、30坪、最寄り駅は徒歩7分。2019年に見積もってもらった際には坪単価225万円で、6750万円(土地のみの価格)でしたが、現在地価は多少上昇しているようです」(みみっくさん/男性/57歳/自営業)

<世帯年収>本人:50万円、妻:800万円
<金融資産>現金預金:7600万円、リスク資産:9300万円
※高さ制限などが設けられた低層住宅の良好な環境を守るための地域
 
リバースモーゲージの注意点とは

リバースモーゲージの注意点や類似サービスを検討している50代後半男性


A. 「想定よりも借入額が低くなることや、高金利になった場合に注意が必要です。類似サービスには“リースバック”があります」(深野さん)

ご相談者の場合、相続人がいないことを考えると、自宅を担保にお金を借り、亡くなった時点で自宅を売却し、借入金を清算する“リバースモーゲージ”を選択するのはよいと思います。

一方で、リバースモーゲージを取り扱っている金融機関は、まだそれほど多くありません。また、金融機関によっては、マンションがリバースモーゲージの対象外になっている場合や、一般的に自宅の担保評価額より低い金額しか借入ができない場合などがあります。その他、金利が高くなると、担保割れしてしまわないように、借入金の上限が想定より少なくなってしまうこともあります。こういった点には、注意が必要です。
 
類似するサービスだと、最近話題になっている“リースバック”というのがあります。今住んでいる家を一度売ってしまい、またその家を借りるというサービスです。例えばですが、ご相談者の家が6750万円で売れたとしましょう。そしたら、その家を買った業者と賃貸契約を結び、いくらか家賃を払って借りる。この方法がリースバックになります。

持っている不動産を生かすという点では、リバースモーゲージとリースバックの2つの方法があります。リースバックの方が一括でもらえるお金は多くなりますが、どちらがいいか決めるのは、なかなか難しいところもあると思います。金融機関の方にも相談しながら、検討してみてください。

【動画】深野先生の他の相談もご視聴いただけます!ぜひ併せてご覧ください。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
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本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
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