今回は、炊飯器の寿命を縮めてしまう「やってはいけないNG行為」について紹介しましょう。
おたまや泡立て器など、金属製の調理器具を使うのはNG
炊飯器で最も壊れやすい部分なのが内釜。特に多いのが内側のコーティングのはがれです。その状態で炊けないわけではありませんが、ご飯の中に剥がれたコーティング剤の破片が混入してしまいかねません。コーティング剥がれの原因として最も多いのが、金属製の調理器具を使うこと。泡立て器で洗米したり、お玉を使ったり、金属製のスプーンでこそげるのもNGです。
また、見落としがちなのが洗い物のとき。食べ終わった内釜にスプーンやフォーク、ナイフなどをどさっと入れてガチャガチャすることでもダメージが蓄積されます。金属製の調理器具を入れたり、重ねたりしないように注意しましょう。
ゴムパッキンや圧力弁など、取り外せない部品を無理に取るのはNG
ご飯を食べ終わった後、内釜や内ぶたなどを洗います。このときに気になるのが内ぶたについているゴムパッキンや圧力弁(ボール)。取り外すことができない場合は、そのままの状態で洗うようにしましょう。無理に外すと、元にもどせなくなったり、炊飯時に蒸気が漏れたり、正しく圧力がかけられなくなります。パッキンなどの部品は取り外しが推奨されていない場合は、取り外すことなく、そのまま洗いましょう。
おかず調理や炊き込みごはんを作ったあとの臭いが気になる場合には、内ぶただけ別途購入して使い分ける方法もあります。
おかず調理非対応の炊飯器でのおかず調理はNG
近年、インターネットなどでもよく見かけるのが炊飯器調理。低温調理ローストビーフや煮物などを炊飯器で行うレシピが数多く出回っています。しかし、これらも故障の原因になる可能性があります。炊飯器にはおかず調理機能があるものとないものがあります。多くの場合、圧力炊飯器にはおかず調理機能を搭載していません。そのような機種は米を炊くための圧力調理プログラムとなっているため、想定外の食材が加熱されると、蒸気孔に食材が詰まってしまったり、フタを開いたときに中身が飛び出してしまったりといったトラブルが発生します。また、密閉袋に塊肉を入れて調理する場合でも、ビニール袋が内ぶたなどについてしまうといったリスクがあります。
基本的には炊飯器でのおかず調理は避け、おかず調理機能を搭載してる場合にも、マニュアルの範囲内で調理するようにしましょう。
食材の入れすぎ、大量の油を使う料理はNG
おかず調理のできる炊飯器を使う場合や、炊き込みご飯を作る場合に注意したいのが、食材の量。炊き込みご飯なら3合までといった規定量を守って調理しましょう。食材を入れすぎると炊飯中にフタが開いてしまったり、蒸気が漏れて正しく炊けなくなることがあります。特に水分量の多い野菜やきのこなどを入れすぎるとべちゃべちゃになったり、柔らかくなりすぎてしまう場合も。蒸気孔などに食材が詰まる原因にもなってしまいます。
また、アヒージョのような大量の油を入れる料理もNG。炊飯器の底面には温度センサーがついており、内釜の温度を測定しています。油は非常に高温になるため、温度センサーが誤作動を起こす可能性があります。また、高温になると内釜のコーティングにもダメージを与える可能性があります。
とろみのある食材や膨らむ具材の調理はNG
調理機能のある炊飯器ではさまざまなメニューに対応しています。しかし、一部のメニューでは注意が必要。例えば、八宝菜のあんなど、とろみがあるメニューは高温になりやすく、焦げ付きの原因になります。また、とろみが蒸気孔をふさいでしまうことも。作る場合はレシピを正しく守り、規定の範囲内で調理しましょう。練り物や大豆なども、水を吸って数倍に膨らむ性質を持つため、分量以上に入れると吹きこぼれの原因になります。また、カレーを調理する場合にも注意が必要。圧力炊飯器の場合は、圧力調理が終わってからカレールーを入れます。ルーを入れてから圧力調理をすると、ルーが蒸気孔をふさいでしまい、破裂するリスクがあるためです。
炊飯器を長く使うコツは、できるだけ炊飯以外に使わないこと(おかず調理対応炊飯器を除く)、食べ終わったら内釜と内ぶたをきれいに洗って乾燥させることです。また、高級炊飯器の内釜の中には、土鍋や炭でできた非金属釜もあり、これらは落とすと割れてしまうので扱いには注意しましょう。使っている炊飯器のマニュアルをよく確認するのも良いと思います。