最新型キャンパスノート「キャンパス フラットが気持ちいいノート」開発秘話
「キャンパス フラットが気持ちいいノート」は、フラットに開くため、スマホなどで写真を撮ったときに、真ん中に影ができず、文字も見やすいのが特徴。普段使いの学習ノートが水平に開くのは、学習効率アップにもつながるのだ
この「キャンパス フラットが気持ちいいノート」というのが、実は何気なくもすごい製品だと筆者は感じています。
平たくフラットに開くノートというだけなら、かなり前からコデックス装(背中の綴じ糸をそのまま見せる製本の方法)や糸かがり製本などの製本方法もありますし、無線とじのスタイルでも、いくつもの製品があります。
ただ、それらは、どれも、「特別なノート」として作られていて、それぞれに特長が違っていたりもします。
「キャンパス フラットが気持ちいいノート」は、そういった特別なノートではなく、「キャンパスノート」のブランドから出た、“普段使い用”のノートなのです。だから、キャンパスノートのポイントである、筆記具を選ばない紙と、丈夫さや耐久性を重視した製本、買いやすい価格で手に入れやすいという部分を、しっかり守って作られています。
初めて、このノートを使ったときに何より驚いたのは、その「普通のノートなのに、水平に開く」という点でした。
「耐久性を保ちつつ、フラットに開くというのが一番苦労したポイントでした。社内でも、耐久性について最後まで悩んで議論しました。最終的には、技術担当メンバーのあきらめない努力によって、使っていて紙が外れたり、ページがばらけたり、破れてしまったりということはなく、基準は満たしつつも最大限フラットに開く、というところが実現できました。このノートもキャンパスノートとして販売する以上、書きやすい紙、耐久性、低価格の3つは崩さないように気を付けています」と絵馬さん。
量産可能で、かつ1ページ目からフラットに開くことへのこだわり
このように「キャンパス フラットが気持ちいいノート」は1ページ目から水平に開くように作られている
1ページ目は右から始まるし、書きにくいこともあって、ノートは2ページ目から使い始めるという人も多いので、案外、このすごさは見過ごされているかもしれませんね。
「1ページ目は本当にこだわりのポイントなんです。耐久性を考えたら1ページ目はしっかり糊を入れて接着したいのですが、“フラット”と言っているのに1ページ目はふわっと膨らんでいたら、それはなんだかだまされたような気持ちになるのではないかと思って。
これを量産品で実現するのがとにかく大変でした。キャンパス以前に、フラットで開く『ペルパネプ』もありましたが、あちらは作業工程に手作業部分も含まれる製品なので、同じ方法では量産品にはできません」と絵馬さん。 「キャンパス フラットが気持ちいいノート」は通常のキャンパスノートよりも20円高いです。しかし、従来のキャンパスノートの使い勝手はそのままに、1ページ目からフラットに開く機能を追加して、20円に収めたというのは、コクヨが大企業だからといった理由で片付けられるものではないと思うのです。
それは、表紙デザインやロゴを変えるなどして、苦労してでもユーザーに機能を伝えたい、という想いがあったということでしょう。
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