ビットコイン

ビットコインの次の上昇要因は?

ビットコインの次の上昇要因として「半減期」と「欧米の金利低下」を挙げます。「半減期」は4年に一度の需給イベントで話題ですし、「欧米の金利低下」によって世界中のお金の流れが変わることから思わぬ展開に期待です。

田代 昌之

執筆者:田代 昌之

資産運用ガイド

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さぁ、円ベースのビットコインの上昇が加速していますが、この動きはいつまで続くのでしょうか? 今回は「半減期」と「欧米の金利低下」にスポットを当ててお話します。
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円ベースのビットコインの上昇が加速していますが、この動きはいつまで続くのでしょうか? 次の上昇要因として「半減期」と「欧米の金利低下」を挙げます。

ビットコインの半減期とは何?

今後のビットコインの価格動向をお話する上で欠かせないのが、4月末頃に迎える「ビットコインの半減期」という4年に1度の需給イベントです。

ビットコインは、約4年に1度の周期で、マイニング(採掘)でもらえる報酬を半減させる「半減期」が来ます。過去、2012年、2016年、2020年と3回ありました。2020年は5月11日に実施され、報酬としてもらえるビットコインは「12.5枚」から「6.25枚」に減少しました。2024年4月末に訪れるとみられる半減期で報酬は「3.125枚」となります。

そもそもマイニングとは暗号資産独特の用語で、ビットコイン取引が正しく行われているかの検証および承認をすることです。具体的には、ブロックチェーンに書き込まれた送金や売買などの情報に間違いないかの作業を正確に早く行えた人(法人)に報酬がもらえるのです。

ビットコインが誕生したときのマイニングは、興味を持つ個人が行っているケースが多かったのですが、マイニングがビジネスになると考えた人が組織的に行うようになり、莫大な電気代を費やし多くのPCを駆使して法人が行うようになりました。ちなみにビットコインを法定通貨化した中米エルサルバドルは、このマイニングの電気代を火山などの地熱発電で賄おうという壮大な計画を立てました。進んでいるかどうかは微妙ですが、自然エネルギーを用いるという発想は二酸化炭素の排出量を抑える観点ではアリだと思います。

報酬が半分になる制度は何のため?

話を戻しますが、半減期は、マイニングを行った人(法人)にもらえる報酬が半分になるわけです。なぜ、このような制度を取り入れているのか?

この制度は、供給が増えることに伴うビットコインの価格の下落を防ぐためです。ビットコインは、誕生したときから需要と供給をコントロールするようにプログラムされているのです。このように、世に出回るビットコインの枚数を、事前に決められたルールに則ってコントロールすることで、価値の減少を食い止めるロジックになっています。

過去の半減期は上がったの? 下がったの?

過去3回の半減期では、半減期到来から半年後の価格推移を確認しますといずれも上昇しています。「過去3回が上昇したから今回も上昇する」という単純なものではないですし、その時の世界情勢や株式市場、為替市場などを考慮する必要もあります。

とはいえ、「半減期は上昇要因」と捉える人が多ければ、結果として価格推移はそのような推移をたどるかもしれません。ビットコインの価格を決めるのは需要と供給のバランスです。単純な話ですが、ビットコインに限らず、物の価値は、売りたい人よりも買いたい人の方が多ければ、その価値は上昇します。

もしかしたら、難しいことを考えずに、「過去こうだったからこうなるのではないか?」と買いで対応した人が結果として勝つかもしれません。

もちろん、必ず上昇するわけではありません。あくまでも「投資は自己責任」という基本だけは押さえておいてください。よろしくお願いします。

東京時間2月28日22時時点の半減期到来日(※)は、2024年4月18日頃と見られています。もうあと1カ月と少しです。4年に1度のビットコイン需給イベントを楽しみましょう。

※半減期は、正確に言うとビットコインの取引履歴データが格納される「ブロック」の生成速度で決まり、21万ブロックが生成されるタイミングで半減期が発生します。したがって、次回は84万ブロックが生成されるタイミングが半減期到来日となります。

欧米の金利低下がどう影響するの?

では、もう1つの「欧米の金利低下」も簡単にお話します。

現在、欧米の金融政策を司る金融当局は、国の政策金利引き下げのタイミングを模索しています。新型コロナウイルス大流行やウクライナ戦争によって引き起こされた世界的なインフレ(物の価値の上昇)がようやく一服しつつあるからです。

欧米金融当局がコントロールしている通貨は、欧州がユーロ、米国がドルです。この2通貨の金利が下がることによって、これまで保有していたユーロやドルを手放す投資家が出てくる可能性があるのです。

手放す理由は、保有していても金利低下によって利息が減少するからです。厳密には投資している先で金利は変わりますし、中途換金ができるのかどうかなどさまざまなことがありますが、筆者は金利が下がる通貨よりも金利が高い通貨、もしくは別の物に替える動きが増えると想定しています。ここでは大きな局面の話として捉えてください。

運用資金の一部がビットコインに流れる可能性?

その「別の物に替える動き」の選択肢の1つにビットコインがあると考えます。ビットコインはそもそも金利という概念がありませんので、選択される可能性は低いでしょう。それでも、ユーロやドルという桁外れの資産のほんの1%でもビットコインに流入すると大変な事態となります。

全ての流入資金が「買い」に回るわけではありませんが、一般的には投資資金の流入は価格を押し上げる効果が大きいことから、ビットコインの価格上昇につながると考えられます。

米企業のアップルやマイクロソフトの半分ほどの時価総額(180兆円)しかないビットコインに、ドルやユーロで運用していた数千兆円から1京円近い運用資金の1%でも入ると「池のクジラ」以上のインパクトとなります。

この可能性は非常に低いですが、金利低下によって資金の流れが変わると、さまざまな市場に動きは出ることでしょう。こうした資金がビットコインを筆頭に暗号資産市場へ流入する展開を期待します。

東京時間2月28日22時時点、既に円ベースのビットコインは900万円台に乗せてきました。史上最高値を更新していることから次のターゲットは存在しない状況です。こうなってきますと、心理的な節目でもある大台の1000万円も通過点になってくるかもしれません。
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