食生活・栄養知識

Q. ブロッコリーはなぜ「指定野菜」への追加が決まったのですか?

【管理栄養士が解説】指定野菜にブロッコリーが追加されることになりました。ほとんどの野菜の消費量が横ばいか減少傾向の中、ブロッコリーだけは消費が増えていることから日本人の食生活への重要度が上がったと認められたためです。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. ブロッコリーは、なぜ「指定野菜」に追加が決まったのでしょうか?

指定野菜になるブロッコリー

約50年ぶりに「指定野菜」が増える!? なぜブロッコリーが選ばれたのか

Q.「ブロッコリーが『指定野菜』に追加されるというニュースを見ました。『指定野菜』は50年ほど前にじゃがいもが追加されてから、ずっと14種類の野菜のみだったと説明されていましたが、なぜ今ここにブロッコリーが追加されることになったのでしょうか?」
 

A. 消費量が年々伸び、日本人の食生活に欠かせない野菜と認定されたからです

日本人の野菜消費量は、ほとんどの野菜において横ばいか減少傾向ですが、ブロッコリーの消費量は年々増加しています。このことは収穫量からもわかります。ブロッコリーの収穫量は、2000年には8.3万トンでしたが、2022年には17.2万トンまで、右肩上がりで増えています。2021年11月には、輸入量が前年同月比を大きく上回ったことも注目されました。これは前年が新型コロナウイルスの流行により外食産業が冷え込み、需要が減ったことも影響していますが、それでも主な品目のうち、最も増加率が高かったのがブロッコリーだったのです。

ブロッコリーはこれまで、指定野菜に準ずる「特定野菜」に含まれていましたが、消費量が増え続けたことから、日本人の現代の食生活に重要な野菜であると認定され、「指定野菜」に昇格することになりました。指定野菜も特定野菜も、「日本人の食生活に欠かせないと認められた野菜」が選ばれますが、特に消費量が多く、重要な野菜として安定供給されるよう、しっかりと守られることになります。

また、ブロッコリーは栄養価の高い野菜でもあり、100gあたり食物繊維5.1g、カリウム460mg、鉄1.3g、葉酸220μg、ビタミンC140mgなどが豊富に含まれています。野菜にはあまり多い印象のないたんぱく質も5.4gと豊富です。

ブロッコリーは基本的には冬が旬の野菜ですが、冷凍食材としても販売されていますし、冷凍しても味や色が大きく落ちにくいことも魅力です。1年中、安定した価格で食卓にあがりやすい野菜だといえるでしょう。レンジで加熱してマヨネーズをつければ、それだけでおいしい1品にもなります。健康のためにも、手軽でおいしいブロッコリーを食卓の定番野菜として、積極的に活用していきましょう。

■参考

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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