男のこだわりグッズ

きっかけは“かかりつけの歯医者さん”の一言。デザイナー・秋田道夫の「縦型トート」開発秘話(2ページ目)

グラブレザーを使ったバッグを得意とするTRIONは、その道のプロとコラボしたバッグのシリーズ「PRO CRAFT」を展開しています。中でも、プロダクトデザイナーの秋田道夫さんと組んだ「Nothing」は大人気。今回はその最新作について、秋田さんにお話を伺いました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

かかりつけの歯医者さんからの要望がヒントになった

Nothing トート縦型を持っている女性

「Nothing トート縦型」の使用例。女性が肩から掛けても自然に見えるサイズだが、A4ファイルが入る

「『Nothing』はとても気に入っていて、あまりカバンを持たない私ですが、どこに行くにも持ち歩いていたんです。それでかかりつけの歯医者さんにも持っていったら、そこの先生と、その息子さん、歯科助手さんまでとてもカバンを褒めてくださって。ただ、先生は女性で細身の方だからか、『これがもう少し小さくて縦型だったら良かったのに』とか『肩から提げられるといいなあ』といった要望を出されたんですね。そういうニーズもあると思った私は、すぐにトライオンさんに連絡して、『Nothing』の続きを作ることになりました」と秋田さんは、縦型トートの製作が始まった経緯を教えてくれました。
縦型トート底面からの写真

薄マチなのに、荷物を入れない状態で自立する。フリーアドレスの会社で、デスクのパーテーション代わりにしているユーザーも

そうして出来た「Nothing トート縦型」は、A4サイズの書類が入る大きさだとは思えないほどにコンパクトに見えます。縦型なのに、身長が高くなくても普通に使えるサイズなのです。
秋田さんのスケッチ

秋田さんによる、把手部分のスケッチ。このようなスケッチを何枚も描いて、アイデアをトライオンに伝えながら作業は進む

「紙袋みたいなものをイメージしました。デパートのショッパーのようなものを、そのまま革にしたらというのは、当初から変わらないコンセプトです。ただ、よくある『まるで紙の袋みたいに見える』というのは狙っていませんでした。紙のピンと張った感じで、2枚の壁が立っているというイメージでスケッチを描いたんです」と秋田さん。

確かに、紙バッグには見えないどころか、堂々たる革鞄です。ただ、革自体が薄いこともあって、軽快な印象を受けます。

>次ページ:作る予定のなかった“縦型”を制作した理由
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