男のこだわりグッズ

空スペースを“磁石×ホッチキス”で有効活用する新発想! コクヨ「壁につけるマグネット」の開発秘話

コクヨの「壁につけるマグネット」は、空いている壁を簡単にマグネットボードにしてしまうアイテムです。しかも、壁にスチール板を直接貼り付けない工夫がされていて、壁を傷つけにくいのです。気軽に楽しく、世間的に言うところの「壁活」が楽しめるアイデアの秘密を、コクヨの開発担当スタッフに伺いました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

壁につけるマグネット活用例1

こんな風に、普通の石こうボードの壁面をマグネットを使って紙を貼ったりアクセサリーをかけたりできるようにする製品のシリーズが、「壁につけるマグネット」

限られた空間を生かすために、壁を活用するというのは、それこそ日曜大工のお父さんの棚作りが流行った昭和の昔から続く、ある意味、日本の住宅の知恵とも言える発想なのでしょう。そのくらい、収納場所は少なくても、空いた壁は結構あるということ。ここ数年、聞かれる「壁活」という言葉は、その発想をさらに広げたものと言えそうです。

今や、棚や突っ張り棒、ウォールフックといった、いわゆる「家具」的なものを空いた壁に設置するだけでなく、アクセサリーを飾ったり、絵はがきやチェキなどの紙モノを貼ったり、鍵やケーブルなどの小物を引っ掛けておいたりと、空いた空間である壁を収納から装飾まで、いろいろ使うということを、まとめた言葉として近年使われているのが「壁活」。なので、その関連グッズも多岐にわたっています。
 

壁へのダメージは最小限に、壁をマグネットが使える空間にする

おすすめの基本セット例

画像左は「壁につけるマグネット バー」495円(税込)。右は「壁につけるマグネット はじめてセットB」1980円(税込)。まず始めるなら、この2つを購入すると、バータイプのマグネットボードを2カ所に設置でき、丸タイプのマグネット4個とバータイプのマグネット1個を使えて、この製品ができることを一通り体験できる

今回紹介するコクヨの「壁につけるマグネット」も、そういう壁を活用するグッズのひとつですが、面白いのは、壁へのダメージを最小限にしながら、壁をマグネットが使える空間にしてしまおうというそのアイデアです。棚やフックを設置するのでもなく、画鋲などで留める飾りなどのアイテムでもなく、壁に新しい機能を追加するためのツール。

さらに文具メーカーのコクヨだけあって、その設置に使うのはホッチキス。今回、用途に合わせて多くの種類が発売されていますが、迷った場合は、とりあえず、「壁につけるマグネット はじめてセットB」1980円(税込)の購入をおすすめします。これだけで、他に特別な道具などを用意することなく、自宅の壁にマグネットを付けることができるようになり、製品の特長もつかめると思います。

もちろん、ホッチキスで留める関係上、壁は日本の家屋で多く使われている石こうボード専用ですが、それでも、壁にマグネットで絵はがきなどを気軽に貼れるのは、装飾としてだけでなく、壁に実用的な機能を追加することにもなるのです。
 

リビングの壁にマグネットが使える生活を

壁への設置方法1

まず、このように透明のシートをマグネットが使える空間にしたい場所にホッチキスで固定する。ホッチキスを打つ位置は印字されているので、それに合わせてバータイプの場合、8カ所にホッチキスの針を打ち込む

仕組みとしては、ホッチキスを使って透明な樹脂製のベースシートを壁に固定します。その上に粘着テープ付きのスチール板を貼り付けることで、マグネットを使える空間の出来上がり。丸形とバー型のマグネットを使って、さまざまに壁を活用できるというもの。
壁への設置方法2

ホッチキスで固定したシートの上に、粘着剤付きのスチール板を貼り付ければ設置完了

「最近、キッチンなら冷蔵庫の扉とか、玄関のドアとか、そういうところにマグネットを使ったり、水周りでしたら吸盤を使った『浮かせる収納』的なものがたくさん出ていますよね。私たちも、そのようなトレンドにはずっと着目していました。それに対して、リビングはマグネットをつけるところがないんですよね。だから、壁は結構デッドスペースになっています。そこを有効活用できないかというのが商品開発のスタートになりました」と、コクヨで「壁につけるマグネット」の開発を担当された河井重博さん。

工事を伴う棚などを設置するのではなく、マグネットが付けられる環境をリビングに提供したいという、大袈裟にならない感じが、結果的にさりげなく、しかし使い勝手の幅は広いユニークな製品になったということなのでしょう。
壁に好きなポストカードを貼ったところ

丸形のマグネットを使って、ポストカードを貼ってみた。左がYOUCHANさん、右は青木俊直さんの作品

「リビングに子どもが描いた絵を貼りたいと思ったとき、画鋲で貼ると壁にも絵にも穴が空いてしまいます。ずっと同じ絵を貼っておくならそれも良いのかも知れませんが、その時々で、貼っておきたいと思ったものをどんどん入れ替えたりしたい場合は、マグネットの手軽さが生きると思います。作品に穴も空きませんから、推しの写真なども気軽に貼れます」と河井さん。

>次ページ:さすが文具メーカー! 専用ホッチキスならではの仕掛け
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