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他人を搾取する「テイカー気質」はお金持ちになれる?

先日、こんな質問をいただきました。「他人を搾取する『テイカー気質』の人は、お金持ちになれるのでしょうか? もしそうだとしたら、私もテイカーにならなきゃいけないんでしょうか?」今回は、この質問にお答えします。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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他人を搾取する「テイカー」はお金持ちになれる?

他人を搾取する「テイカー」はお金持ちになれる?

先日、こんな質問をいただきました。

「他人を搾取する『テイカー気質』の人は、お金持ちになれるのでしょうか? もしそうだとしたら、私もテイカーにならなきゃいけないんでしょうか?」

今回は、この質問にお答えします。

そもそも「テイカー」って何?

そもそもの話として「テイカーって何?」と感じた方が大多数だと思います。だからまずは、このことばの意味について説明します。

もともとこの概念は、組織心理学者のアダム・グラント氏が著書「GIVE & TAKE」で取り上げたものでした。

同著では、人の行動特性を「GIVER(ギバー:与える人)」、「TAKER(テイカー:受け取る人)」、「MATCHER(マッチャー:ギブとテイクのバランスを取る人)」という3つに分類しています。

このうち「テイカー」は、「受け取る人(≒他人に恩恵を与える量は少ないのに、他人から受け取る恩恵を多く求める人)」を指します。

大して働きもせずに高給をせびったり、恩を押し付けてそれ以上の見返りを要求したりする人が、テイカーに当てはまります。

他人を搾取する「テイカー気質」はお金持ちになれる?

テイカー気質がお金持ちになれるか?については、グラント氏が著書「GIVE & TAKE」の中で結果を書いています。

同著によると、テイカー気質の人はてっとり早くお金持ちになれるかもしれないが、マッチャー(ギブとテイクのバランスを取る人)に気づかれたら制裁されるのだそうです。

制裁の大きさは、テイカーの程度にもよります。

たとえば、極端なテイカーの例として「詐欺師」が挙げられます。詐欺師は何も与えずに、お金をだまし取ります。ポンジスキーム詐欺(投資詐欺の一種)の生みの親であるチャールズ・ポンジ氏は、詐欺行為を繰り返して刑務所送りになりました。

ほかにも、軽度なテイカーの例としては「ブラック企業の経営者」が挙げられます。実名は挙げませんが、ブラックな労働環境を作り出した企業の経営者は、部下を搾取することでお金持ちになるでしょう。しかし、悪事が過ぎると内部告発などで悪事を暴露され、その座を追い出されることもよくあります。

まとめ

要点をまとめると、

◯テイカーとは「与えるよりも多くを受け取ることを求める人」のこと
◯テイカーはてっとり早くお金持ちになれるかもしれないが、いずれ制裁される


という2点に集約できます。

水戸黄門に出てくる悪代官のように、テイカーはすぐに捕まるワケではありません。しかし、図に乗りすぎれば悪事が明らかになりますし、いずれ社会的な制裁が下るでしょう。

グラント氏によれば、社会からも愛されながら成功できるのは「テイカーから搾取されないように身を守りながら、社会に多大な恩恵を与える方法を考えた」ギバーばかりだそうです。

ギバー(与える人)やマッチャー(ギブとテイクでバランスを取る人)は、テイカーの餌食にされないためにも、きちんと報いてくれる人を選んで親切にするのが大切ということでしょう。
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