資産運用

外貨建て保険はいらない?必要な人・不要な人の特徴

インフレや新NISAのスタートを機に、「貯蓄から投資へ」の流れが本格化しようとしています。一方で、全く知識のないまま投資を始めて思わぬ損をしてしまうことも……。そんな初心者が陥りやすい落とし穴を紹介します。今回は、円に比べて高金利の「外貨建て保険」についてです。

鈴木 さや子

執筆者:鈴木 さや子

学費・教育費ガイド

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為替

為替リスクのある外貨建て保険はいらない?

インフレや新NISAのスタートを機に、「貯蓄から投資へ」の流れが本格化しようとしています。一方で、全く知識のないまま投資を始めて思わぬ損をしてしまうことも……。そんな初心者が陥りやすい落とし穴を紹介します。今回は、円に比べて高金利の「外貨建て保険」についてです。

円安だと保険料UP 円高だともらうお金DOWN

外貨建て保険とは、払い込んだ保険料がドルや豪ドルといった外貨で運用され、万が一のときの保険金や解約返戻金(へんれいきん*)も、外貨で受け取る保険です。

*保険を解約したときに払い戻されるお金のこと。

一般的には、円で払い込み円で受け取るため、払い込むタイミングと受け取るタイミングで、円と外貨を交換します。そのため、払う保険料も受け取るお金も、円でいくらになるかそのときにならないとわかりません。これが大きなデメリットです。

たとえば、1ドル100円のときに外貨建て保険を月払いで契約していた人は、1ドル145円台と円安になっている2024年1月5日現在、保険料は約1.45倍に上がっているはず。出費が読めないのはツライですし、こんなに上がったら貯金額も減ってしまいますね。

解約返戻金や保険金など、保険会社からもらうお金も為替レートによって変わります。払い込んだ保険料を下回ることもあります。もちろん、円安の局面では、予定よりも多くの解約返戻金や保険金が支払われることもありますが、為替の動きは誰にもわからないんです。

解約返戻金や保険金だけでなく、かかるコストにも注意が必要です。払い込む保険料には、保険会社への手数料が含まれ、運用されるのは残りのお金です。また、円と外貨を交換する手数料が、1ドルあたり0.01円~1円(商品によって異なる)、保険料支払い時と保険金等の受取時の2回かかります。資産形成において大切な、コスト削減という視点を忘れないようにしましょう。

将来外貨を使う予定がないなら検討の余地なし

日本よりも海外は金利が高いため、同じ死亡保障を得るために必要な保険料は、日本の保険より安いです。

そのため、将来海外に住む予定としているなど、払い込みも受け取りも外貨でOKの人であれば、為替リスクがないため活用することも可能です。しかし、将来外貨を使う予定がないなら、この保険を使う意味はないと私は考えます。

すでに契約している人で、変動する保険料や今後の為替リスクに不安がある場合は、「解約」か「払い済み」を検討しましょう。

解約するのは嫌だけれど続けるのが負担なら「払い済み」がおすすめです。保険商品によってはできないものもあるので、保険会社に問い合わせましょう。「払い済み」は保険料の払込みをストップして保障を小さくするものですが、特約が消滅することに注意。
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