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「愛情寿命」の終わりは「不毛の夫婦生活」のはじまり
日本は世界一の長寿国といわれています。「寿命」と「健康で自分らしく生きられる期間=健康寿命」は分けて考える必要があります。病気や痛みに苦しみながらの長寿はつらいことでしょう。アラフィフ世代は自身の親の健康状態の変化を感じるお年頃。「うちらも、今のうちに健康増進しとかないとね」の思考になります。この「健康キープ」ですが、パートナーにストレスを感じた夫婦関係ではキープが困難です。食事も楽しくない、というか作るのすら義務でやっている。寝室も別。子どもを通した会話。できれば休日は一人で好きなことをしたい。
などなど嫌な空気感ただようライフスタイルでは健康寿命が伸びるとは思えません。
今や結婚60周年を祝う「ダイヤモンド婚」を夫婦そろって迎えることも珍しくなくなっており、その先の「プラチナ婚」(結婚75周年)を目指すシニア夫婦も高齢化社会の日本では増えていきます。
ダイヤモンド婚式も義務で付き合ってるので笑顔がない……というクールな夫婦になる前に「愛情寿命」を伸ばしましょう。
「お互いへの愛情・感謝の気持ちを失わず、異性間のセクシャルな感覚も持つ生活」が「愛情寿命」です。
「誰かを好きになって、胸がときめく」といった感情は、脳科学的にはドーパミンの分泌の結果得られるものだという事が明らかにされており、そのドーパミンの分泌も3年間で終わるとされています。この理論に従えば、何もメンテナンスをしなければ「愛情寿命」はたった3年で終わってしまい、あとは不毛な「夫婦寿命」が何十年も続くことになります。
自分たちの「愛情寿命」が終わっていること、あるいは終わりそうだから対策をとる必要があると、正面から向き合わざるを得ないのはいつか?
個人差はありますが、仕事や子育の忙しさのピークを乗り越えた50代が最も愛情寿命不足に気づく年齢ではないかと。愛と思いやりがなければ健康度も落ちていきます。
【全10問】夫婦の「愛情寿命」チェックシート
パートナーとの「愛情寿命」の残量を知るためのチェックシートを作成してみました。「うちら終わってる?」と不安を感じるあなた、まずは以下の10問にYes/Noで回答して夫婦の実態を把握してみましょう。1. 時々、尿漏れすることがあるが対策はしていない
2. ムダ毛の処理はさぼりがちである
3. 今年1年間で1枚も新しい下着を買わなかった
4. 今日、1度も夫に対して笑顔を見せていなかった
5. 夫が昨日どんな服を着ていたか知らない・覚えていない
6. 夫抜き(=自分と子どものみ)のグループLINEがある
7. 最近、夫の嫌なところばかりが目に付く
8. この1週間で1度も夫婦間のスキンシップがない
9. 最後にキスをしたのは1年以上前
10. 「夫婦の営み」は1年に1回未満
【診断】Yesの数はいくつ? 夫婦の危険度は……
「Yes」と回答した数別に「危険度」と、その理由を確認しましょう。- Yesが0個→危険な兆候なし
- Yesが1~3個→危険度1~20%
- Yesが4~5個→危険度21~60%
- Yesが6~8個→危険度61~90%
- Yesが9個以上→危険度は臨界点レベル
実は設問1~3が「オンナ意識」に関わること、4~7が「コミュニケーション」に関わること、8~10が「セクシャルコミュニケーション」に関わる内容です。
ご自身がどのジャンルにYesが多かったかによって、とるべき対策が異なります。
【対策編】設問1~3にYesが多かった人
⇒あなたの中の「女性性」が失われている傾向がみられます。 例えば尿漏れは女性の骨盤底筋群が緩んでしまうために起こるもので、妊娠・出産、加齢、肥満、閉経による女性ホルモンの低下などがおもな原因としてあげられています。自分の女性器の加齢と向き合い、適切なフェムケア、腟エクササイズを行うことなどが改善策の1つに挙げられます。また、ムダ毛処理をしなくなったり、古くなって黄ばんだりゴムの伸びた下着を身に着けていることも、「女性性」を失っている証拠といえます。パートナーから愛情を引き出す自分の「女性性」の要素をしっかりケアしていきましょう。
【対策編】設問4~7にYesが多かった方
⇒夫婦のコミュニケーションが崩壊の危機にあります。 「最近、妻の笑顔を見たことがない」というのは50代男性がよく言うセリフ。気づかないうちに口角が下がって、眉間に一本縦しわが寄っていませんか? 今すぐ鏡をチェックしてみてください。パートナーの服装を覚えていないのは、相手のことが目に入っていない、目を合わせていない、興味関心がないからです。相手をしっかり観察することはコミュニケーションの基本です。
「夫抜きLINEグループ」で連絡を取り合うついでに夫の悪口や愚痴を子どもに吐き出したりしていませんか? 「言霊(発した言葉が何らかの形で現実に影響する)」という考え方が知られていますが、誰かにネガティブな言葉を吐けば、その人へのネガティブな感情が高まります。そしてそのネガティブな思いは相手に伝わり、鏡のように反射されて、今度はパートナーからあなたへのネガティブな気持ちになって返ってきます。
夫の嫌なところばかりが目に付く人は、自分の「視点」を一度振り返ってみましょう。家事を「30%しかしてくれない」と捉えるか「30%もしてくれた」と捉えるかで、相手の見え方も変わってきます。
【対策編】設問8~10にYesが多かった人
⇒夫婦の寝室が南極大陸のように冷え切っています。 会話が言葉のコミュニケーションなら、スキンシップは体のコミュニケーション。いつでも、小さなことから、自分から始めることが可能です。まずは、「おはよう!」「ありがとう!」「いってらっしゃい!」などの言葉と合わせたポンッと軽いタッチから取り入れてみてください。軽いポンタッチはスキンシップのステップ1です。
「夜の営みがない」よりも関係性の冷え込み度が高いのが「キスのない」夫婦。筆者はキスレスカップルと呼んでいます。相手に対して優しい気持ちになったり、愛おしさを感じたりするところからキスをしたいという感情は生まれます。まずは相手に対して優しい気持ちを持つよう意識してください。怒らない。いらつかない。卑下しない。
「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ 2020」によれば、20~69歳の平均で男性の41.1%、女性の49.5%が「1年以上セックスをしていない」と回答しています。50代に限って見てみると、この割合は男性45.3%、女性65.8%に跳ね上がります。もはやセックスレス派が多数派になりつつあるニッポン。1~10までの項目を改善し、せめてポンタッチができる「愛情寿命」を伸ばせるカップルこそ人生100年時代のラブ王者カップルといえるかもしれません。