その結果、知らず知らずのうちに疲れがたまっている……そんなこともあるかもしれません。そこでパナソニックが提案しているのが「たまった疲れを解消して本来のパフォーマンスを取り返すリフレッシュ活動」=「リフ活」です。 今回は同社が開催した「正しい休養で『リフ活』EXセッション~ポストコロナの健康マネージメントとセルフケア家電~」から、たまった疲れを解消するリフレッシュの方法と、「リフ活」におすすめな最新家電を紹介します。
冬場の疲れの原因は「寒暖差疲労」?
「正しい休養で『リフ活』EXセッション」では、一般社団法人 日本リカバリー協会の代表理事 片野秀樹さんが登壇。正しい休養の取り方を解説してくれました。片野さんは休養・リカバリーウエアを手掛けるVENEX(ベネクス)の創業メンバー。日本体育大学での研究活動から、2021年には「休養」を学問として体系立てた編著書『休養学基礎』(メディカ出版)を刊行した休養の専門家です。 毎年、寒い季節になると疲れが出やすくなりますが、片野さんによれば、この原因のひとつが、寒暖差疲労とのこと。 「寒暖差疲労というのは急に暑かったり、寒かったり、という温度差によって体に負荷がかかる、このストレスが原因です。一般的に服の中は、温度32度プラスマイナス1度、湿度50%プラスマイナス10%が快適だといわれます。ここから逸脱すると自律神経が体を快適な状態に戻そうとします。このときの負荷がストレスになり疲労に繋がるというわけです」(片野さん)
さらに日常生活においては、気温以外にも湿度や気圧、騒音などさまざまなストレス源があります。これらの組み重ねが、疲労につながるというわけです。
疲労回復のために重要な「休養サイクル」とは
コロナ禍が明けてから、通勤時間が発生したり、外出が増えた人も多いですよね。その影響で、自分のために使える時間が減り、疲労を感じる人が増えているといいます。日本リカバリー協会が10万人規模で調査したデータによると、約86.8%の人が、疲労が増えたと感じているそうです。この疲労に対応していくために、セルフケア、セルフメディケーションが大切だと、片野さんは語ります。「気温が急激に下がる中、冬に向けて疲労を回復するためにどのようなセルフケア、セルフメディケーションをするのか、考えていく必要があります。厚生労働省が定めた健康づくりにおいては『運動』『栄養』『休養』が大切だとされています。
そのなかで我々は『休養』の大切さに関して学問体系を作って説明していくことを考えています。一般的な日常のサイクルは、『肉体的や精神的に活動して、その結果疲労して、休養する』、この3つのサイクルで回っています。しかし、86%の人が疲れていると答えているということは、休養を取ったつもりでも疲れが取れず、充電できていない状態で活動に戻っているということです」
充電ができてない状態で活動に戻ると慢性的な疲労状態となり、本来の活動能力が出せなくなってしまいます。この状態で仕事や学業に取り組むのは非常にリスクが高いとのこと。そこで片野さんが提唱しているのが『休養サイクル』。単に休んだつもりで活動を再開するのではなく、しっかりと「攻めの休養」を取り、充電することが大事だといいます。
「活動能力を増進するための方法として、『リフ活』などがあります。これらをうまく休養のサイクルに取り入れて、活力を蓄積して翌日の仕事や学業に取り組むことを勧めています」
7種類の休養を組み合わせて活力アップ!
一般的に『休養』と聞くと寝ればいいと考えることもありますが、ただ寝ればいいというわけではありません。大切なのは休養の仕方です。一言に休養といってもさまざまな休養があります。片野さんによれば、休養は「休息タイプ」「運動タイプ」「栄養タイプ」「親交タイプ」「娯楽タイプ」「創造タイプ」「転換タイプ」の7つに分けられるとのこと。これらを自由に組み合わせることで活力が養えるというわけです。 そして、この7つの休養は、肉体的な休養と精神的な休養、社会的な休養の3つに分類できるとのこと。「肉体的な休養は、1番、2番、3番です。休息タイプは睡眠など、体を動かさずに休む休養です。運動タイプは血液循環を促すような軽い運動。マッサージなども含まれます。栄養タイプはたくさん食べるということではなく消化器を休ませるということです。
4番、5番、6番の精神的な休養は、人とお話ししたり、自然や動物と触れ合ったり、音楽を聴いたり、また、料理を作るといった、自分がリフレッシュできることですね。そして7番の転換タイプが社会的な休養です。部屋の模様替えや掃除、旅行に行くといった気分転換といわれるものが近いと思います。
この7つの休養を上手にカスタマイズして取り入れて、充電していただきたいと思います。大切なのは自分自身で休養をマネジメントすることです」(片野さん)
そして最後に、この疲労と休養をマネジメントするために重要なポイントを3つ教えていただきました。 1つ目は「現在」に没入すること。人は過去の後悔や未来の不安がストレスになります。今に集中することでストレスが軽減できるそうです。2つ目は、「休養を取るときは自己決定権を持つ」こと。誰かに合わせるのではなく、その時間内は自分自身がコントロールできることが大切です。
そして3つ目は「本能に従う」ことです。人は疲労をごまかして頑張ってしまいますが、それが続くと慢性的に疲れがたまった状態になってしまいます。自分自身の体が発する「疲れた、休みたい」といった声にしっかりと耳を傾けて、小さな時間でもリフレッシュすることが大切です。