なかなか手強い石畳の街
古都リスボンをはじめとする歴史あるポルトガルの街々。石畳の多さはもしかすると日本の皆さんも想定内で、驚くほどではないかもしれません。しかし、道の細さ、坂の多さ、表面のツルツル度と掛け算されたときの石畳の手強さにはびっくりするはずです。 中心街だけでなく、郊外も、歩道や駐車場はかなりの確率で石畳。ハイヒールなんて履いたらヒールが挟まってしまうのは確実です。リスボンを行き交う人々は皆、スニーカーを愛用しています。 それならフラットな靴なら安心かと思いきや、長年たくさんの人が行き来してきた石畳の表面はツルツルになっています。なので雨の日はもちろん、晴天でも、急勾配の下り坂を靴底に溝のない靴で歩くともう、滑る滑る……。 細い道にもぎりっぎりで車や自転車タクシー、バスなどが入ってきますし、歩道に乗り上げて駐車する車も少なくありません。石畳は、ぼーっと歩いていると危ないのです。保存食が欠かせない
冷蔵技術のない頃から、塩、オリーブオイル、アルコールなどを使って食品の腐食を防いできた伝統を持つポルトガル。現在もたくさんの保存食が人々の食生活に溶け込んでいます。 中でも大航海時代に発明されたという塩漬けの干しタラ「バカリャウ(Bacalhau)」はポルトガルの国民食。小さいスーパーでも置いてありますが、大きめのスーパーに行くと、バカリャウ売り場の広さとバラエティー、それに独特の匂いにも驚きます。・魚介の缶詰は種類が豊富! もう1つ、かなりの売り場面積を占める保存食が「魚介の缶詰」です。ツナ、タラ、イワシ(サーディン)、サバ、ムール貝、タコ、イカ……と種類も豊富。 水煮もありますが、オリーブオイル漬けだと、フレイバーはにんにく、唐辛子、トマト、ハーブ、レモン入りなどこちらもバラエティー豊かです。カラフルなパッケージも多くて、見ているだけでも楽しくなります。お土産にもぴったりで、観光地でも購入できますよ。
おいしいワインがとにかく安い!
OIV(国際ブドウ・ワイン機構)の2022年調査によると、ポルトガルは1年に1人当たり67.5L(およそ90本分)のワインを消費する、世界で「最も1人当たりのワイン消費量が多い国」。そんなワイン大国だけあって、カフェやレストランはもちろん、スーパー、ガソリンスタンド、公園のキオスクなどでも気軽にワインを購入することができます。 しかも、驚くほど安い。普通においしいワインのフルボトルが2ユーロ(約315円) 台から購入できますし、レストランなどのハウスワイン(レストランが提供するリーズナブル価格の「いちおしワイン」)のグラスはレモネードやジュースよりも安いのです。ちなみに生ビールも同じくらい、懐にやさしいお値段。これはお酒好きの筆者にとって、とってもうれしい驚きでした。
カタツムリを食べる!
食べ物の話が続きますが、初夏になるとレストランやバーに「カタツムリ(カラコイシュ)あります」の告知が張り出されます。初めて見た時は「えっ!? 何、エスカルゴ?」と思ったのですが、小さなカタツムリたちが立派な旬の食材として提供されているのでした。 スーパーでも季節には巻貝のように網の袋に入って販売されます。ちなみに大きいカタツムリは「カラコレータ」と呼ばれ、小さいカタツムリ、カラコイシュよりも少し高級です。 リスボンの飲食店で小さなカタツムリを注文すると、にんにく、オレガノをはじめとするスパイスやハーブとベーコンなどと一緒に煮たカタツムリがスープと一緒に深めの皿に盛られて出てきます。これを爪楊枝で殻から出して食べます。目玉のついた触角がちょっと不気味ですが……、癖もなく、ビールに合うおつまみです。この時季、外のテーブルで1人で黙々とカタツムリを食べている人を見かけるとなんだか微笑ましいです。
あちこちに孔雀がいる
最後にこちら。日本の公園にいる鳥といえばハトやスズメ、それにカラスなどだと思うのですが、ポルトガルの公園では、なぜか孔雀に出会う確率が高いです。 大きな鳴き声、飛ぶ姿、それに雛たちなど、何気なく出かけた先で孔雀の生態を知ることになるのは、うれしいサプライズでした。※レートは記事執筆時点です