資産運用

【新NISA】つみたて投資枠の商品が初心者向きなのはなぜ?

新NISAの疑問について、著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』を上梓した経済ジャーナリストの酒井富士子さんがお答えします。今回は、「新NISAのつみたて投資枠の商品が初心者向きなのはなぜ?」についてです。

酒井 富士子

執筆者:酒井 富士子

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新NISA

新NISAのつみたて投資枠の商品が初心者向きなのはなぜ?

2024年1月からスタートする新NISA。年間の投資枠が大幅にアップするなど使い勝手が良くなりますが、「仕組みが理解できない」「自分に合った投資方法が分からない」などと活用をためらっている人も多いのではないでしょうか。
 
このような悩みに対して、著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』を上梓した経済ジャーナリストの酒井富士子さんがお答えします。今回は、「新NISAのつみたて投資枠の商品が初心者向きなのはなぜ?」についてです。

Q. 新NISAのつみたて投資枠の商品が初心者向きなのはなぜ?

「新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品が初心者向きと言われるのはなぜですか?」

A. 国が厳選した「長期・積立・分散」投資にぴったりな商品のみだから

つみたて投資枠対象商品の特徴

出典:酒井富士子『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)

新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があります。実は、つみたて投資枠では、金融庁が厳選した「長期・積立・分散」投資にぴったりな投資信託が揃っているんです。

最大の特徴は手数料が安いことです。通常、投資信託は購入時・保有中・売却時といったさまざまなタイミングで手数料がかかります。特に保有中にかかる「信託報酬」というコストは、運用期間が長期になるほど資産への影響が大きくなります。そのため、つみたて投資枠では、資産が目減りするのを避けるために、手数料の安い投資信託が選ばれています。

売却するまで分配金が支払われずに再投資する「無分配型」の投資信託が揃っているのも特徴です。複利効果(*)を得るためには、頻繁に分配金を支払う投資信託よりも、利益を元本に組み込む無分配型の投資信託のほうが効率的なんです。

*複利効果:運用で得た利益を元本に組み込んで、さらに利息を得る仕組み。「雪だるまの法則」とも呼ばれる。
つみたて投資枠で積み立てられる投資信託の種類

出典:酒井富士子『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)

また、つみたて投資枠では、「インデックス型」「アクティブ型」「バランス型」の3つの投資信託に加え、「ETF」も購入が可能です。それぞれ特徴を解説しますね。

つみたて投資枠で購入できるのはインデックス型の投資信託が中心です。インデックス型の投資信託とは、例えば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった指数と値動きが連動する投資信託のことで、値動きがわかりやすく、信託報酬が低めです。割安なコストで経済成長の波に乗って資産を増やせる可能性があるという点で、投資初心者にはおすすめなんです。

インデックス型に対し、アクティブ型の投資信託もあります。指数を上回る値動きを目指す設定で、インデックス型よりもリスクや信託報酬は高め。でも、つみたて投資枠対象の投資信託なら条件をクリアしたものなので、初心者でもトライする価値はあります。

もう一つのバランス型は、1本で複数の資産・地域を組み合わせて投資をするタイプ。その名の通り、国内外の株式や債券などをバランスよく組み入れた商品です。

なお債券とは、国や企業などが資金を調達する時、お金を借りる代わりに発行する借用書のようなものです。一般的に、株式よりも安全性が高いと言われています。つみたて投資枠対象の投資信託は、株式型が基本なので、債券を組み入れたいならバランス型を選びましょう。

最後のETFは、指数と連動するように運用されている投資信託の一種です。インデックス型の投資信託と同じもののように感じる方もいるかもしれません。確かに、インデックス型の投資信託もETFも、指数との連動を目指すという点は同じです。違いは、金融商品取引所に上場しているかどうか。ETFは、「上場投資信託」という意味で、上場している投資信託なんです。

インデックス型をはじめとする投資信託は1日1回、取引時間終了後に基準価額が決まります。だから、投資家は売買の注文をした時点では正確な基準価額がわかりません。一方、ETFは株式と同じように、取引時間内に値動きを見ながら売買ができます。つまり、自分の希望する価格で取引できるということですね。

ただ、積立投資では頻繁に売買はしませんよね。積立投資の場合は、インデックス型でもETFでも指数に連動して低コストで運用できるので、どちらを選んでも大丈夫です。
新NISA&iDeCo

新NISAについてより詳しく知りたい方は、酒井富士子さんの著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)をお読みください。


 
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