投資が怖い人はコツコツ積立投資からってなぜ?
このような悩みに対して、著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』を上梓した経済ジャーナリストの酒井富士子さんがお答えします。今回は、「投資が怖い人はコツコツ積立投資からってなぜ?」についてです。
Q. 投資が怖い人はコツコツ積立投資からってなぜ?
「新NISAを機に投資にチャレンジしたいと考えていますが、損をするのが怖いです。投資が怖い人はコツコツ積立投資から始めた方がよいと耳にしますが、なぜでしょうか?」A. 「長期・積立・分散」投資だと安定運用できるから
投資で損をしたくないという人にもってこいの投資術があります。キーワードは「長期・積立・分散」の3つです。 まずは1つ目のキーワード「長期」について解説します。上のグラフはスタンダードな国際分散投資を5年間続けた場合と20年間続けた場合の収益の差を表したものです。保有期間5年のほうは、収益がマイナスの赤い棒があることがわかります。つまり、保有期間が5年だと、収益がプラスになる可能性もあるけれど、マイナスになる可能性もあるのです。
一方、保有期間20年のほうは赤い棒がありません。保有期間20年になると、収益率がプラスになりやすいと言われています。これこそが長期投資の効果で、運用を長期的に行うほど、収益がプラスの方向に安定する可能性が高くなるということです。
次に、2つ目のキーワード「積立」についてです。例えば、皆さんがある会社の株式を購入するとしたら、どのようなタイミングで投資すればいいと思いますか?
やっぱり、株価が下がったタイミングですよね。でも、安い時に買ったからといって、その後値上がりするという保証はありません。投資のタイミングを見極めるのはとっても難しいんです。だから、見極めない投資をすればいいんです。
それが、「毎回同じ金額」で「定期的に」投資する「積立投資」です。高い時には少ししか買えないけれど、安い時にはたくさん買えます。結果的に平均単価が下がり、収益が出やすくなるんです。 最後のキーワードが「分散」です。上のグラフは、過去20年間、それぞれ違う資産に投資した場合をシミュレーションしたグラフです。(B)と(C)は右肩上がりに増えていることがわかりますね。
(B)は、国内の株式と債券に分散投資をしたケースです。20年間で50%以上増えていますね。さらに国内だけではなく、先進国・新興国の3つの地域に1/6ずつ資産を分散した(C)のケースでは、20年間でなんと80%以上も増えています。なぜこのような結果になったのでしょうか。
一般的に、株式と債券は、どちらかの価格が上がればどちらかが下がる「マイナスの相関関係」があると言われています。株式と債券のように、値動きの異なる複数の資産に分散投資を行うことで、ある資産が値下がりした場合でも、他の資産の値上がりでカバーできるようになります。
つまり、お互いの弱点を補い合っていると言えます。投資も、個人プレーではなくチームプレーが大切というわけですね。
地域を分散させる場合にも同じことが言えます。投資する地域を分散させることで、世界全体の経済成長の波に乗ることができます。これこそが「分散投資」の効果なんです。
新NISAでも、リスクを抑えて収益を出しやすくするためには、「長期・積立・分散」投資をするのが鉄則と覚えておきましょう!
新NISAについてより詳しく知りたい方は、酒井富士子さんの著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)をお読みください。