63歳からもらえる特別支給の老齢厚生年金ですが、現役で働いて一定額の収入があってももらえますか？ 満額もらえるのでしょうか？

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、一定額の収入を得ながら特別支給の老齢厚生年金をもらえるのかにについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q：63歳からもらえる特別支給の老齢厚生年金ですが、現役で働いて一定額の収入があってももらえますか？ もらえるとしたら満額もらえるのでしょうか？

「昭和38年6月生まれ、女性。今年の6月に定年を迎えましたが、再雇用で同じ職場で勤務してます。毎月の給料は現役の時よりも7万円少なくなりましたが、それでも一定額の収入はあり、ボーナスも夏冬合わせて86万円ほど支給されます。そこで、63歳からもらえる特別支給の老齢厚生年金ですが、現役で働いて一定額の収入があってももらえますか？ もらえるとしたら満額もらえるのでしょうか？」（ひまわり）

A：給与収入を得ながら、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができますが、一定額（月額48万円）を超えると、一部もしくは全額支給停止になることもあります

60歳以降に給与収入を得て、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金（特別支給の老齢厚生年金を含む）をもらうことはできますが、基本月額（老齢厚生年金の報酬比例部分）と、おおよその給与収入（総報酬月額相当額※）の合計金額が、支給停止額（48万円）を超えると、老齢厚生年金（特別支給の老齢厚生年金）の一部もしくは全額が、支給停止になることもあります。これを在職老齢年金制度といいます。
　
※総報酬月額相当額とは、毎月の給与と手当など（標準報酬月額）＋1年間の賞与（標準賞与額）を12で割った額。
　
特別支給の老齢厚生年金を満額もらうためには、特別支給の老齢厚生年金とおおよその給与収入を合算して、48万円を超えないように調整する必要があります。

相談者「ひまわり」さんは、ボーナスを年間86万円ほど支給されるとのことですので、約7万2000円（86万円÷12カ月）を給与収入に加えて、在職老齢年金制度の計算をする必要がありますので気をつけましょう。詳細については年金事務所にて確認してみましょう。

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監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）