年金・老後のお金クリニック

今年64歳になる男です。年金はもらわないで、70歳まで厚生年金に入って働くつもりです。繰り下げで増額しますか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金をもらわず、70歳まで厚生年金に加入して働いた場合の年金額についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金をもらわず、70歳まで厚生年金に加入して働いた場合の年金額についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:今年64歳になる男です。年金はもらわないで、70歳まで厚生年金に入って働くつもりです。繰り下げで増額しますか?

「今年64歳になる男です。年金はもらわないで70まで厚生年金に入って働くつもりですが、この場合繰り下げで増額の対象になりますか。4割増えると期待してるのですが」(yanboさん)
年金の繰り下げ受給について解説します

年金の繰り下げ受給について解説します

A:要件を満たせばもらえる特別支給の老齢厚生年金は繰り下げできません。老齢厚生年金は、在職老齢年金で支給停止にならなければ繰り下げで増額します

相談者「yanbo」さんは、繰り下げ受給を考えているとのこと。

まず、「yanbo」さんは今年64歳、つまり1959年(昭和34年)生まれかと思いますので、要件を満たすことで「特別支給の老齢厚生年金」をもらえる可能性があります。ただし60代前半でもらう特別支給の老齢厚生年金は、繰り下げ制度の対象ではありません。

65歳からは要件を満たすことで、老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)を受給することができます。65歳以降、老齢年金の年金請求をしなければ、年金は繰り下げになり、繰り下げすることで1カ月あたり0.7%年金が増額します。

ただし60歳以降、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合は、「在職老齢年金制度」に注意が必要です。老齢厚生年金の基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分)と、総報酬月額相当額(毎月の給与収入と直近1年間の賞与の1/12)の合計が、支給停止の基準額である48万円を超えると、老齢厚生年金受給額の一部もしくは全額が支給停止になります。

相談者は老齢年金をもらわないで(繰り下げして)厚生年金に加入するとのことですが、繰り下げしている期間の老齢厚生年金も在職老齢年金制度の対象になります。

つまり、実際に老齢厚生年金を受け取っていない場合でも、基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円を超えてしまうと、老齢厚生年金が支給停止されることになります。支給停止された老齢厚生年金は、繰り下げによる増額はされません。

参考記事:繰り下げても厚生年金受給額が増えないことがある?
https://allabout.co.jp/gm/gc/492265/

一方で老齢基礎年金は在職老齢年金の対象ではありませんので、繰り下げをすれば増額の対象になります。

「4割増えると期待している」と書かれていますが、年金が増額するかどうかは、最寄りの年金事務所で確認してみるといいでしょう。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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