トイレの場所と使用方法
ポルトガルのトイレ事情ですが、少なくとも筆者が暮らす首都リスボンをはじめとする街中のトイレは、衛生面、使用法共に日本人旅行者が使用をためらうことはあまりないように思います。観光客が使えるトイレの場所も、空港やバスターミナル、高速道路脇のレストエリア、観光施設など想定通りではないでしょうか。ショッピングモールやデパート、レストランなどのトイレも難なく利用できます。トイレには、通常トイレットペーパーが備え付けられています。また、空港やショッピングセンター、ホテルなどのトイレでは日本と同じように紙を流すことが可能。水を流すのも手動の場合はボタンが多く、特に迷うこともないように思います。 ただ気を付けたいのは、海の近くや標高の高い場所、古都のトイレ。下水設備が整っていないため、トイレットペーパーを流すと紙が詰まってしまう可能性があります。紙が流せないトイレには、「紙を流さないでください」というサインや手書きの貼り紙がトイレの周りに掲示されています。便座に座って背後の壁のサインに気付かず、紙をトイレに捨ててしまった……なんてことになりがちなので、ご注意ください。
ちなみに使用済みのトイレットペーパーは、近くに設置されているゴミ箱に捨てます。 また、民泊やホテルなど宿泊施設のトイレには、日本人にとってあまりなじみのないタイプの「ビデ」がたいてい設置されています。
基本的にはまたがって座り、手を使って水やお湯で局部を洗うことに使用します。座る向きは洗いたい箇所に合わせて個人の好みによります。初めてだとどう使うのか戸惑うと思いますので、せっかくだから使ってみたい!という人は、あらかじめ動画などを見て予習しておくことをオススメします。なお、ビデ付近に置いてあるタオルはビデ使用後に拭くためのものなので、間違って顔などを拭かないように注意してください。旅行時はトイレットペーパーで拭くのがベターでしょう。
小銭を忘れずに!有料の公共トイレ
もう一つ、日本人が戸惑いがちなことは、駅や観光地などにある公共トイレの多くが“有料”であること。トイレの入り口に使用料を徴収する人がいるケースや、ゲート、もしくはドアに自分でコインを投入して中へと入るタイプがあります。いずれも使用料は50セント~1ユーロ程度(※78~156円)。有人の公共トイレはきれいに管理されていることが多いようです。係の人がいる場合は細かいコインや2人分をまとめて払う、といったこともできますが、無人の機械は50セントコインのみ使用可能という場合もあります。そして、両替機がいつもそばにあるとは限りません。 ショッピングセンターやレストラン、カフェなどの無料トイレをできるだけ利用することに加えて、万が一に備えてお釣りなどでもらうコイン使わずにとっておいて持ち歩くことをおすすめします。
※2023年9月15日のレート
ポルトガル語で「トイレ」は何と言う?
ポルトガル語でトイレは「casa de banho(カザ・デ・バニョ)」。カタカナの通りに発音して大丈夫です。洗面台、洗面所を意味する「lavabo(ラヴァーボ)」や「lavatório(ラヴァトーリオ)」はアクセントがあり発音が少し難しいのと、casa de banhoがより一般的なため、それと比べると通じにくいです。ちなみに世界最大のポルトガル語圏、ブラジルではトイレのことを「banheiro(バニェイロ)」と言います。ポルトガルでもブラジル人の多い地域ではたいてい理解してもらえますが、別の表現で聞き返されることも。
また、ポルトガルでは多くの人が英語を話すので、英語で「restroom(レストルーム)」や「bathroom(バスルーム)」「loo(ルー)」、また「toilet(トイレット)」と聞いてもおそらく通じると思います。 トイレのサインは、色分けされていない男女のピクトグラムが一般的。「WC」や「sanitário」と表記されていることもありますが、これらの表現は口語ではあまり使われません。 基本的には男女別々のトイレで、おむつ交換台は女子トイレもしくはユニセックス・多機能トイレに設置されているようです。ポルトガルでは車椅子で使用可能なトイレの設置が、一部例外はあるものの義務付けられており、誰もがさまざまな理由で使えるトイレは比較的普及しているようです。