Q. 持ち株の株主優待が廃止になった場合、売却しますか?
「お持ちの株の株主優待がなくなると発表されたら、桐谷さんは売却しているのでしょうか?」(よまたけ/43歳/広島県)
――今回はこんな質問に、桐谷さんが答えてくださいました。
「優待がなくなると発表されて売却したのは10%もないですね」(桐谷さん)
日本たばこ産業が2022年12月に優待制度を廃止したり、オリックスが2024年3月末に優待制度を廃止すると発表したり、最近優待をやめる会社が何十社かありましたが、私は全然(持ち株)を売っていません。今は優待をなくしても配当を増やす企業が結構増えているので、株価はあまり下がらないんです。優待制度はたくさん株を持っている人(大口投資する)より、ちょっとだけ持っている人(小口投資)の方が利回りが高くなるため、個人投資家に有利な制度です。それで、機関投資家(顧客から集めた資金を運用・管理する法人投資家)が優待やめて配当を増やすように運動をやっているんです。
その圧力に負けて優待をやめる企業が結構出てきているのです。優待をやめても、配当金を増やしてくれる企業であれば、持っていても大丈夫かなと思っています。
私の場合、優待がなくなると発表されて売却したのは10%もないですね。(優待がなくなっても)ずっと我慢して持っています。最近では、海帆<3133>という会社が優待をやめていましたが、再開したことで株価も復活してきたということもありました。
このように、優待をやめてもまた再開する企業もあります。私は1000銘柄ぐらい持っていますので、小さなことで一喜一憂して、ジタバタしないようにしています。
教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。