Q. 預貯金が1億5000万円あり、高配当株に分散投資を考えています。銘柄の選び方について教えてください
「これまで仕事が趣味といえる日々を過ごし、お金を使う暇もなく、気づいたら預貯金が1億5000万円ほどになっていました。無理がたたってボロボロになった体で、このまま仕事を続けられるとも思えず……。引退後の生活、両親の介護、娘の進学に備えて、高配当株に投資しようと考えています。少なくとも数十銘柄への分散投資が必要と思うのですが、どんな視点・基準で銘柄を選定すればよいでしょうか」(Ken/47歳/東京都)――今回はこんな質問に、桐谷さんが答えてくださいました。
「プライム市場に上場し、配当利回り4%くらいある銘柄に分散投資してみては」(桐谷さん)
働いて1億円以上貯めたのは、本当にすごいですね。それだけ働いたから、体がボロボロになってしまったんですね。「これからは高配当株に分散投資する」とおっしゃっていますが、正解だと思います。今は配当だけで4%の利回りになる株が500~600銘柄ぐらいあります。その中から、プライム市場(昔の東証1部)に上場しているしっかりした会社を数十社選び、分散投資すれば、どこか調子の悪い会社があったとしても、一方で調子のいい会社もあるので、バランスをとることができます。
金融資産が1億5000万円ありますので、例えばそれを配当利回りが5%の株で運用したとすると、税金を20%引かれても年600万円、月50万円が得られますよね。ご本人が言われているように、数十銘柄の高配当株に分散投資すれば、それだけでこの方は死ぬまで配当金で生活費をまかなえますから、大丈夫でしょう。選ぶ銘柄の中に、いくつか優待銘柄を入れて、優待を楽しんでいただくのもいいかなと思いますね。
教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。