株価が暴落しても動じない投資家の共通点
先日、こんな質問をいただきました。「株式投資をはじめたのですが、株価が暴落すると動揺してしまいます。暴落が来ても動じない投資家は、何が違うのでしょうか?」
今回は、この質問にお答えします。
株価が暴落しても慌てない
そもそも:なぜ、暴落が来ると動揺するのか?
そもそも、なぜ暴落が来ると動揺するのでしょうか?もっとも根本的な理由は「変わっていくものに注目している」からです。
上場企業は3カ月に1度しか決算を出しません。会社によっては重要なプレスリリースを出すこともありますが、それでも「毎日、新しい発表をする」ワケではありません。株式の本質的なことが1~2日で大きく変わることはまれです。
それでも、株式市場は気まぐれです。理由もなく株価が上がることもあれば、下がることもあります。株価の動きが「重要なシグナル」を示していることもありますが、そのほとんどはノイズです。
動揺しないためには、もっと本質的な部分。つまり「変わらないものに注目する」のが大事です。
筆者は一橋大学の楠木建先生のファンなのですが、ここで、彼のことばを引用しましょう。
きっと、暴落が来ると動揺してしまう方は、この楠木先生のことばが「グサッ」と突き刺さるんじゃないかと思います。世の中には、いつでも「今こそ激動期だ」「100年に一度の危機だ」と騒ぎたくて仕方ない人たちがいます。こういう激動期おじさんは、変化する現象を追いかけてばかりいる。で、目を回しているだけなんです。
変化する現象……つまり株価を追いかけているかぎり、感情のジェットコースターを避けることはできません。
変化しない現象……つまり会社の本質をきちんと理解し、「持っているだけで満足できる」株式に投資していれば、暴落が来ても怖くありません。
たとえば、不動産オーナーは不動産の「評価額」を毎日チェックしたりしません。そもそも路線価などの地価は毎日アップデートされませんし、気にする必要もないからです。
一方、不動産オーナーは「へんな人が入居していないか?」「入居者はきちんと家賃を支払っているか?」「空室率が上がっていないか?」という、より本質的な……つまりは経営上の問題に注目しています。株式投資家が注目すべきも、こちらのほうと言えるでしょう。
まとめ
要点をまとめると、暴落が来ると動揺してしまう「そもそも」の原因は、◯変化する現象……つまり株価に注目しすぎているからだ!
という1点に集約できます。
「株価を見る」こと自体は悪いことではありません。株価を注意深くみることで、高く売るチャンスや、安く買うチャンスをつかめることもあります。
しかし、こうしたチャンスをつかめるワケでもないのに株価を眺め、かえってイライラしたり損をしたりするくらいなら、株価を見るのを止めてしまったほうがマシです。
株価が暴落しても動じない投資家は、株価よりも「投資先の実態」に注目するものです。