1. 風量設定は基本的に「自動」で、必要に応じて「強」を選ぶ
エアコンの風量を「強」にすると電気代がかかってしまうと思っている人も多いかもしれません。ですが、送風にかかる電気代は、空気を冷やすのにかかる電気代に比べたら微々たるもの。もっとも節電になる設定は「自動」とされていますが、それでも暑く感じるなら、風量を「強」にしてみてもいいでしょう。冷たい風が部屋中に行き渡るだけでなく、その風を直接浴びることで、涼しさを感じることもできます。これは、風が体表の水分を蒸発させ、熱を逃がすためです。一般的に、毎秒1mの風を浴びると体感温度が1度下がるといわれています。
逆に、エアコンの使い始めに風量を「弱」にすることは避けましょう。エアコンは、立ち上げた直後にもっともパワーを使い、設定温度に達するまではパワフルに運転を続けます。このときに風量が「弱」設定だと、なかなか部屋が冷えないため、パワフルに運転する時間が長くなり、電気代がかかってしまうのです。風量設定は基本的に「自動」で、必要に応じて「強」を選ぶといいでしょう。
2. サーキュレーターで冷風をリレーする
冷房を使用する際、サーキュレーターで空気をかき混ぜれば、室内の熱ムラが解消されて無駄な運転が抑えられ節電になるアイデアは、すでに試している人も多いと思います。サーキュレーターのもう1つの使い方としておすすめしたいのが、「冷風をリレーする」方法。例えば部屋の形がL字の場合、エアコンの位置によっては、一部に冷風が行き届きにくくなります。そんなときはサーキュレーターの出番。エアコンの冷風が当たる場所にサーキュレーターを置き、風が届きにくい方向に向ければ、冷風が届きやすくなります。
この方法はエアコンのない部屋に冷気を届けたい場合にも応用できます。間取りによって効率の良し悪しはありますが、上手に冷風をリレーして、少しでも部屋を冷やし、節電しながら熱中症リスクを抑えましょう。
3. 室外機周辺の温度を下げる
40度に届きそうな猛暑日が続出している今年の夏。コンクリートの温度が50度を超えたり、車を触ってやけどしそうになったり、今までの夏とはレベルが違うと感じている人も多いのではないでしょうか。実は、エアコンの室外機も大きな影響を受けているのです。室外機は、室内の空気から集めた熱を追い出していますが、外気温が高くなると熱を排出しにくくなり、冷房効率が落ちてしまいます。エアコンはJIS規格で外気温43度まで耐えられる設計になってはいますが、直射日光が当たっていたり、熱がこもりやすい環境に置かれていると、43度を超える高温になっている場合もあるのです。
もし猛暑日に、いつもと同じ設定温度なのに効きが悪いと感じたら、室外機まわりの温度を下げる工夫するといいかもしれません。室外機に直射日光が当たっていたら、よしずやサンシェードなどで日陰を作りましょう。最近は、100円ショップにも室外機用の日除けカバーが売っているそうですので、これらも活用できると思います。ただし、室外機全体を包み込むような目隠しタイプのカバーは熱のやりとりの効率を悪くしてしまうので、逆効果です。
また、室外機周りに打ち水をするのも効果的。周囲に保水性の高いジョイントタイルを敷き詰めれば、打ち水効果が持続します。ただし、室外機に直接水をかけると、内部に水が入って故障の原因になるため、メーカーは推奨していません。
エアコンの節電対策としてすでに、サーキュレーターを併用したり、フィルターをこまめにお手入れするといった方法を行っている人も多いと思います。上記の使い方を行っていなかったという人は、新たに試してみてはいかがでしょうか。