食生活・栄養知識

 Q. 「レアハンバーグ」は安全ですか? 食中毒リスクはないのでしょうか?

【管理栄養士が解説】「レアハンバーグ」というメニューが人気を集めているようですが、食中毒のリスクと危険性、注意点については、正しい理解が必要です。わかりやすく解説します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. 「レアハンバーグ」は安全? 食中毒リスクはないのか

レアハンバーグの危険性

「レアハンバーグ」は危険!? 気になる食中毒リスク


「レアハンバーグ」というメニューがあるようですが、食中毒の危険性はないのか、気になる方もいるようです。ステーキとハンバーグのリスクの違いも含めて、ハンバーグを食べる際に絶対に守ってほしい注意点を解説します。

Q. 「『レアハンバーグ』が人気と聞いて、気になっています。生肉は食中毒リスクがありそうなので心配な気持ちもありますが、レアハンバーグは大丈夫なのでしょうか? 安全に食べられますか?」
 

A. 「レアハンバーグ」は危険です! 命にかかわる食中毒リスクがあります

最初に答えを書いてしまいますと、「心配すぎます! 危険です」。

一般的に提供されている「レアステーキ」ですら、2022年9月にはO157集団食中毒が起こり、死亡者も出てしまっています。レアステーキの場合は、塊肉の中心部分は赤いままですが、人の手などが触れる可能性がある表面は加熱されています。多くの人は安全だと思うかもしれませんがそれでも命にかかわるような食中毒が起こるリスクがあるのです。

そして、生のハンバーグの危険性は、ステーキの比ではありません。ハンバーグはひき肉をこねて作るので、中心部分も表面も関係なく、食中毒を引き起こす菌がいると考えた方がよいでしょう。中心までしっかりと加熱しないと危険で、食中毒のリスクは相当高いと考えられます。

例えば「安心安全」が最優先で食事が提供される給食施設では、加熱調理が必要な食材については、中心温度が75度で、1分以上加熱されていることが確認できなければ、料理を提供することができません。すなわち、中心までしっかり加熱処理されていない肉は、安心安全とは言い切れないのです。
 

食の安全を考えるのであれば、肉はしっかり加熱してから食べるべきですし、ひき肉を使用した料理ならなおさらです。

お客さんに「焼きたてを食べてもらう」という目的で、ハンバーグをレアの状態で提供し、お客さんが自分で鉄板で焼いて食べるスタイルの店舗なども人気を集めているようですが、自分で仕上げる場合も、中心まで火が通って肉の色が変わっていることを確認することが大切です。もちろん、食べるときは、提供された状態の生肉に触れていない箸やナイフ・フォークなどを使うようにしてください。
 
■参考

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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