亀山早苗の恋愛コラム

「蛙化現象」の次は「蛇化現象」に支持?自分の価値観がないと逆に“飲み込まれる”ケースも(2ページ目)

理不尽な理由で恋がさめてしまう「蛙化」の次は、相手のかっこ悪さもすべて飲み込む「蛇化」。とはいえ、経験を重ねて自分の価値観をきちんと持っていないと、逆に相手に飲み込まれてしまうことにもつながりかねない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

  • Comment Page Icon

蛇化:好きだから我慢して当たり前?

「誰かとつきあうときは、お互いに最低限のリスペクトが必要だと思うんです」

そう言うのはマサエさん(28歳)だ。彼女は以前、恋人から精神的に我慢を強いられる状況があったという。好きだから、言われて当然だと思っていた時期もあった。

「彼が髪を伸ばせといえば伸ばしていたし、スカートをはいてほしいと言われればはいていた。それは彼の好きな私になりたかったから。その程度ならまだよかったんですが、つきあいが長くなっていくと、彼は私を人前でもバカにするようになったんです。『コイツ、本当にのろまでグズでさ』と言うように。私は彼にふさわしくない女なんだとずいぶん落ち込みました。彼の友人たちとの飲み会では、私は完全にオーダー兼取り分け係。挙句『みんなの飲み物がないのを見たら、さっさと作れよ、気が利かないなあ。どんな育ちをしてるんだか』と言われて」

彼の友人のひとりが「きみはそんなことしなくていいんだよ」と言った。自分の彼女をこんなふうに使うのはおかしい、バカにされてるんだよ、きみも嫌なら嫌と言ったほうがいい、と。そこでマサエさんは目が覚めた。

「彼にとって私は恋人でも何でもない。使い勝手のいい便利なだけの女。恋人ならもっと大事にされるはずですから。考えたら、私はどうしてこんな人とつきあってるんだろうと。ずっと違和感はあったのに、それをきちんと見ようとしなかった。それからすぐ別れを告げると、彼は鼻で笑って『おまえを拾ってくれる男がいればいいけどね』って。でも目を覚まさせてくれた彼の友人に、別れたことを話したら『よかった。あなたならもっといい男がいるよ』と言ってくれたんです。実際、1年後には素敵な人と巡り会えました。彼の言いなりになって、何でも受け入れればいいというわけじゃない」

恋愛も生き方も、ある意味では失敗の連続が当然なのだ。その中でこそ、自分なりの価値観が作られてもいく。自分の基準が見えてくれば、「蛙化」「蛇化」に流されずにすむ。その基準のベースは「違和感を覚えるかどうか」なのかもしれない。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます