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寝るときのエアコン設定は何が正解? 快適に節電するテクニックをパナソニックに聞いた

2023年も早々に猛暑日となる気温を観測し、早くも熱中症のリスクが高まっています。今回は、パナソニックが主催した熱中症対策セミナーから、熱中症の対策方法と賢いエアコンの使い方について紹介します。

田中 真紀子

執筆者:田中 真紀子

白物・美容家電/育児用品ガイド

2023年は6月から猛暑日に迫る気温が各地で観測されています。日本気象協会によると、7月と8月の気温は東日本と西日本で平年並みか高く、厳しい暑さになることが予想されているそうです。そこで心配なのが熱中症。なんと今年は、前年を上回る約1.5倍のペースで救急搬送者が増えているというのです(※1)。

エアコンの賢い使い方とは?

エアコンの賢い使い方とは?

そこで今回は、パナソニックが開催したセミナー『―この夏、がまんしない省エネを― 熱中症対策 節電と快適性を叶えるエアコン活用術!』の内容から、熱中症を発症するメカニズムと対策、エアコンの賢い使い方について紹介します。
 

医師が解説!熱中症発症のメカニズム

熱中症セミナーの講師は、小児科・アレルギー専門医で、All About「家庭の医学」ガイドを務める清益功浩先生

小児科・アレルギー専門医の清益功浩先生

まずは、熱中症が起きるメカニズムについて小児科・アレルギー専門医でAll About「家庭の医学」ガイドを務める清益功浩先生に解説していただきました。
 
清益先生:そもそも人間の脳をはじめとした臓器は37℃以下でスムーズに働くため、それを超えるとうまく機能しなくなります。さらに汗をかいて体内の水分が減少すると、筋肉や脳、肝臓、腎臓に十分な血液が行き渡らなくなったり、体内の電解質のバランスが崩れ、さまざまな調節機能が低下してしまうのです。
 
特に高齢者が熱中症を起こしやすいわけですが、その原因の1つに、体内の水分量の低下があります。体に含まれる水分量は、小児は約75%ありますが、年々減少していき、高齢者は約50%まで減ってしまいます。さらに感覚が鈍くなるため暑さや喉の渇きに気付きにくくなったり、体温調整機能が低下して体に熱がたまりやすくなるなど、熱中症になりやすい要因がそろっています。一方、子どもも汗腺などの体温調整機能が未発達で、高温時や炎天下では深部体温が上がりやすいほか、身長が低く地面からの輻射熱の影響を受けやすく、熱中症になりやすいため注意が必要ですね。

そのほか睡眠不足による眠気や疲労も、熱中症リスクが高くなる可能性があります。「こまめな水分補給」「塩分の補給」といった対策を心がけましょう。

熱中症を防ぐために心がけたいこと(セミナー資料より)

熱中症を防ぐために心がけたいこと(セミナー資料より)

 

設定温度を1℃上げても快適に過ごす省エネテクニック

熱中症予防にエアコンの使用は欠かせません。しかし、相次ぐ電気代の値上げの影響で、“エアコン控え”が深刻化しているといいます。パナソニックによると、「2023年夏、節電のために冷房の利用を我慢しようと思っている人」は、なんと44%にのぼるということです。そこで、同社エアーマイスターの福田風子さんから、節電につながるエアコンの使い方についてアドバイスをいただきました。

パナソニックで空気のプロフェッショナルとして活躍するエアーマイスター、福田風子さん

パナソニックで空気のプロフェッショナルとして活躍する、エアーマイスター 福田風子さん

福田さん:パナソニックのデータによると、約70%の人が夏場はエアコンの設定温度を26℃以下にしています(東京の場合)。設定温度を1℃上げて27℃にした場合、ひと夏で最大1400円の節約になる計算に(パナソニックCS-J403D2の場合)。とはいえ、ただ設定温度を上げただけでは、快適さを我慢することになりかねません。

そこで注目したいのが、人の快適性を決める「PMV(快適性評価)」という指標。人の快適さ・体感温度は、「湿度」「放射」「気流」「着衣量」「活動量」と6つの要素から算出できるとするものです。

人の快適性を決める6つの要素(セミナー資料より)

人の快適性を決めるPMV(セミナー資料より)

例えば、人は風速1mの風に当たると、体感温度が1~2℃変わるため、扇風機の「気流」を併用すれば、設定温度を1℃上げられます。また、エアコンの設置場所によっては、室内の冷気ムラが発生することがありますが、この場合のサーキュレーターの「気流」を上手に活用することで、解消されます。

エアコンと併用する際のサーキュレーターの置き場所(セミナー資料より)

エアコンと併用する際のサーキュレーターの置き場所(セミナー資料より)

さらに温度と湿度もPMVに関係してきます。例えば同じ室温27℃の環境下でも、湿度が50%前後なら快適に感じますが、6を超えると暑く感じ始めるとされています。つまり、蒸し暑く感じる時は設定温度を下げるのではなく、一度冷房除湿に切り替え、湿度を下げてみるのも有効な手段となります。
 

睡眠中の熱中症を防ぐ!エアコンを賢く使うワザ

清益先生の解説にもあったように、睡眠不足も熱中症の原因の1つ。睡眠に影響を及ぼす物理的3大要因としては、「温湿度」「音」「光」があります。人は入眠時、深部体温が下がることで深い眠りに入り、目覚めに向かって徐々に深部体温が上がっていくのが理想とされているため、快適な睡眠のためには寝室の温度管理が欠かせません。
 
福田さんによると、熱帯夜でも快適に眠るためには、以下の点に気を付けると良いといいます。
●エアコンは寝室に入る30分前につけ、風向きは天井に向けておく
●設定温度は26~28℃とする
●湿度は60%以下に保つ
●タイマーは設定しないで朝までつけっぱなしにしておく
 
パナソニックのデータによると、タイマー設定によりエアコンが切れると室温が上昇し始め、途中覚醒の回数が増えることが分かったそう(※2)。一晩中エアコンをつけっぱなしにするのは電気代が心配、という人もいると思いますが、エアコンの消費電力量は、外気温と設定温度の差が大きいほど多くなるので、日中ほど電気代はかかりません。

これからますます気温が上がり、熱中症のリスクも高まってきます。熱中症搬送者の約4割は屋内で発症しているともいわれていますので、水分補給や温度管理をしっかり行い、早め早めの対策を心がけたいものです。

※1 総務省消防庁「全国の熱中症による救急搬送状況 令和5年6月5日~6月11日」
※2 エオリア スリープ あなたの眠りに寄り添うエアコン

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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