しかし、発表当初から「プランの内容が分かりにくい」との声が多く挙がっています。
この記事では、改めて「eximo」と「irumo」はどのような料金プランで「ahamo」と比べてどのような違いがあるのか、どのような人にお勧めなのかなどを詳しく解説します。
<目次>
「ギガホ」「ギガライト」の特徴を合わせた「eximo(エクシモ)」
「eximo(エクシモ)」は、従来のNTTドコモの料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を合わせたような特徴を持つ、5G対応のプランです。■「eximo」のプラン内容 「eximo」はギガライトと同様、利用する通信量によって料金が3段階に変化するプランとなっています。具体的には以下の通りです。
・1GBまでの場合は4565円
・1~3GBの場合は5665円
・3GBを超えた場合は7315円
3GB以上は、どれだけ通信しても料金は変わらず使い放題となります。
■「eximo」では3つの割引を用意
また「eximo」は「ギガホ」「ギガライト」と同様、3つの割引が用意されています。詳細は以下の通りです。
・「みんなドコモ割」(月額最大1100円引き)
・「ドコモ光セット割」または「home 5Gセット割」(月額1100円引き)
・「dカードお支払割」(月額187円引き)
それらを適用すると、月額料金はそれぞれ2178円、3278円、4928円に引き下げることが可能です。
■「eximo」は大容量に比重を置いたプラン 「eximo」は小容量から大容量まで幅広くカバーするプランとされていますが、3GB以上利用すると料金が大幅にアップすること、そして後述する「irumo」が存在することを考えると、より大容量に比重を置いたプランといえるでしょう。
実際に、ドコモショップでの設定サポートはほとんどが無料で提供されており、キャリアメールの「ドコモメール」も無料で利用可能です。
さらに映像配信サービスなどの同時契約でポイントが還元される「爆アゲセレクション」も還元率フルで受けられるなど、料金が高い分サービスはかなり充実しています。
小容量・低価格・安心サポートをセットにした「irumo(イルモ)」
「irumo(イルモ)」は、「eximo」や「ahamo」に比べてスマートフォンの通信量が少なく、より低価格を求める人に向けたプランとなります。そのベースとなっているのは、NTTドコモ子会社のNTTレゾナント(2023年7月1日にNTTドコモと合併予定)がMVNOとして提供している「OCNモバイルONE」です。■「irumo」のプラン内容 「irumo」は「eximo」とは違い、通信量に応じた4つのプランが用意されており、その中から自分に適切なプランを選ぶ仕組みとなっています。全て5Gでの通信が可能です。具体的には以下の通りです。
・0.5GB(月額550円)
・3GB(月額2167円)
・6GB(月額2827円)
・9GB(月額3377円)
0.5GBのプランはやや特殊な内容なので、実際には3~9GBの3つのプランが主流となるでしょう。
■「irumo」でも割引を用意
「irumo」では「eximo」と同じく、割引を用意しています。詳細は以下の通りです。
・「dカードお支払割」(月額187円引き)
・「ドコモ光セット割」または「home 5Gセット割」(月額1100円引き)
※「ahamo」同様「みんなドコモ割」は適用されませんが対象人数にはカウントされます
一連の割引を適用することで3GBプランは月額880円、6GBプランは月額1540円、9GBプランは2090円での利用が可能となります。
■「irumo」の0.5GBプランは一部制限あり
0.5GBのプランは、通信速度が最大で3Mbpsと制限されており、利用できるネットワークも4Gのみとなっています。
一連の割引も適用はできない代わりに、月額550円と非常に安い料金で利用できるのが特徴で、「通話とメールくらいしかしない」など、データ通信の利用が少ない人に向けたプランとなります。
先にも触れた通り、「irumo」の料金プランは「OCNモバイルONE」で提供されていたものがベースとなっていますが、実は割引を適用しなければ「OCNモバイルONE」のプランより割高で、0.5GBのプランもサービス内容が低下しています。
その代わり、いくつかのメリットも追加されています。
■「irumo」を利用するメリット 1つ目は通信品質です。「OCNモバイルONE」は、NTTドコモからネットワークを借りて提供するサービスであったことから、混雑時に通信速度が大幅に落ちるなど通信品質が低下しやすい点がありました。「irumo」はNTTドコモの自社ネットワークを使っているため、混雑時も通信速度が落ちにくいというメリットがあります。
2つ目はドコモショップでのサポートです。「OCNモバイルONE」もドコモショップでの契約は可能でしたが、サポートはオンラインや電話のみで、ドコモショップでのサポートを受けることはできません。「irumo」はNTTドコモ自身が提供するサービスということもあって、ドコモショップでのサポートを受けることが可能です。
■「irumo」を利用するときの注意点 ただ、「irumo」は「eximo」と比べると、無料で受けられる設定のサポートには制約があります。 「eximo」は、OSのアップデートやスマホの初期化、生体認証などの設定サポートを無料で受けられますが、「irumo」では1回当たり1100円料金を支払う必要があります。
他にもirumoには注意すべき点がいくつかあります。
大きな注意点の1つは、ドコモメールが月額330円の有料になること。元々ドコモメールが提供されていない「ahamo」以外のプランから移行した場合、キャリアメールを無料で利用できなくなることから、月額料金を安く抑えるなら「Gmail」などのフリーメールサービスを使うか、「LINE」などメール以外のサービスに移行することをお勧めします。
そしてもう1つは、ネットワークが混雑した時に、他の料金プランよりも先に通信速度制限を実施する場合があるとされていることです。災害時などでネットワークが混雑した時は、データ通信がしづらくなる可能性が高いことを認識しておきましょう。
他にも「爆アゲセレクション」でポイント還元されるサービスが制限される、携帯料金支払い時のdポイント還元率が低くなる、「spモードコンテンツ決済」が利用できなくなるなど、従来のサービスから移行すると使えない、あるいはお得度合いが落ちるケースがいくつかあるようです。
この辺りは料金とのトレードオフとなるだけに、ある程度の割り切りが必要なプランともいえそうです。
「eximo」「irumo」「ahamo」どれを選ぶべき?
「eximo」「irumo」「ahamo」のうちどれを選ぶべきか?と悩む人も多いと思います。ただ3つのプランにはそれぞれ異なる特徴があるので、比較的選びやすいでしょう。「eximo」は、ショップでのサポートをはじめとして、NTTドコモのサービスをフルで受けられ、データ通信が使い放題という特徴を考えると、やはり大容量通信と充実のサポート・サービスを求める、ギガホなどの使い放題プランを利用していた人が利用すべきプランといえます。
「ahamo」は、20~100GBまでの中・大容量の領域を、複雑な割引なしで安く利用できる一方、ドコモショップでのサポートには非常に多くの制約があることから、スマートフォンに詳しい単身の若い世代に向けたプランということになるでしょう。
「irumo」は、通信量が少なく料金を安くしたい、その上でドコモショップのサポートを必要としているという人に向いています。具体的に言えば、従来「ギガライト」を利用していた人にとても適したプランといえます。とりわけ「UQ mobile」「ワイモバイル」など他社サブブランドへの移行を考えていた人にとって、他社に移行することなく料金を安くできる「irumo」は非常に有力な選択肢となるのではないでしょうか。
■まずは試してみて、気に入らなければ移行するのもアリ
ただし、「irumo」はギガライトなどと比べ、メールの利用やサポートなどに制約があるのも確か。そうした点を重視するなら「eximo」を契約して通信量を抑え、従来のギガライトのような使い方をすることももちろん可能です。
料金プランの移行に制約はないので、試しに「irumo」に移行し、気に入らなければ「eximo」に移る……という手もありかもしれません。