キャンドル・ジュンさんの会見に、夫婦問題のプロが感じたこととは?
世間は納得しても夫婦問題は解決しない
キャンドル・ジュンさんがもっとも伝えたかったこととして会見の冒頭で発したのは、というコメントでした。「広末涼子が育児放棄をしたことは、今まで一度もありません。私にとってもよき妻ですし、何より子どもたちにとって最高の母であり、家族や親戚の中でももっとも頑張る素敵な女性です」
ですが、会見全体を通じて彼がもっとも訴えたかったことは、むしろ「たくさんのメディアで報道されている内容が必ずしも真実や本意ではない」という点と、「子どもたちが心を痛めるような報道は慎んでほしい」という点ではないかと感じました。
実際、「ものを言えない子どもたちの今を、相手方の家族や関係者の今をこれ以上追求しないでください。お願いします」と言葉にしていますし、それはメディアに対しては効果があったのではないでしょうか。
一方で気になるのは、この会見が“妻に対してどういう影響を与えたのか”ということです。
多くの有名人夫婦の場合、本来は夫婦間で解決すべきプライベートな問題を公にすることによって「世間は納得するかもしれないが、夫婦間の溝は深まる」という現象が起こりがちだからです。
会見がむしろ離婚を早めるきっかけになる場合も
今回の会見で明らかになったことのひとつに、広末さんのほうから離婚を切り出していたという事実があります。一方でキャンドル・ジュンさんは、「何よりも自分の幸せは、自分の子どもたちと自分の妻がいる家がいちばん幸せです」と言っているように、夫婦関係の修復を望んでいるようです。有名人のケースで考えると、夫婦のどちらかが不倫をした場合、「自分の家族と相手の家族に心からお詫びをし、世間や関係者にも謝罪をする」というのが、壊れかけた夫婦関係を再構築していくために必要なプロセスです。心を傷つけてしまった自分と相手の家族、迷惑をかけてしまった世間や関係者にもきちんと頭を下げることで、少しずつ許しを得ていくことになるからです。
仮に、不倫をしたのが夫ではなく妻の場合であっても、「妻のやらかしたことは夫が責任を持って謝る」という行動も、世間に誠意を伝えることにつながります。
ところが、これは夫婦がともに再構築を望んでいる場合に限るのも事実。
今回の広末さんのように、妻は「別れたい」と考えている場合、夫が謝罪をしても、自分の子どもや相手の家族、世間などからは受け入れられるかもしれませんが、肝心の妻からは「私のことをそこまで責めるの?」「私に黙って勝手に謝らないでよ!」などと逆上されるパターンもあるはず。挙句に「もうこの人とは本当に無理!」と別離への感情が決定的になってしまうこともあるのです。
「女として生きる」か「母親として生きる」かの選択
一般的に浮気や不倫をした側が「離婚したい」と申し出ても、“された側”のパートナーが「それはイヤだ」と言った場合、離婚が認められることはありません。今回の場合も、広末さんが離婚を要求しても、キャンドル・ジュンさんが別れない方向でねばることは物理的には可能です。ただ、あれほど子ども思いのキャンドル・ジュンさんが、子どもたちに夫婦の争いごとを何年もかけて見せ続けていくことを選ぶとは思えません。つまり、子どもたちのために早い段階で離婚に踏み切るということもあり得るのではないでしょうか。
気になるのは、広末さんがどういう選択をするのかです。
女性として恋愛の刺激を求め、女優として高みをめざし生きていくのか、あるいは母親として子どもたちが成人するまでは自分を抑えて生きていくのか……どちらを選ぶのが広末さんらしく幸せに生きる道なのか。とても興味深いところです。