Q：妻が65歳になり、私の年金が減額されました。減額された分は妻がもらえるのですか？
「私は2023年5月現在69歳で、妻が65歳になり年金が減額されました。私の年金の減額分は、妻に支給されるのですか？」（M田さん）
妻が65歳になり、年金が減額されてしまった……減額分は妻に支給される？
A：夫の支給停止となった加給年金額と同額ではありませんが、妻が受け取る老齢基礎年金に「振替加算」が加算されます
相談者の妻は65歳になりましたので、夫が受給できていた「加給年金」は支給停止となり、夫の年金は減額されたということになります。ただし妻の老齢基礎年金に「振替加算」が加算されます。振替加算を受け取れる人とは、加給年金額の対象となっていた人のうち、昭和41年（1966年）4月1日生まれまでであること等の条件を満たす人です。
相談者の妻は、65歳（昭和33年生まれ）とのことですので、振替加算を受け取ることができます。昭和33年4月2日から昭和34年4月1日生まれの人は、月額2801円（年額3万3619円）の振替加算が妻の老齢基礎年金に加算されます。
なお振替加算とは、老齢基礎年金の満額を受け取るために必要な「国民年金保険の加入期間40年」を満たすことができない人のために設けられました。現在の年金制度が始まった昭和61年4月時点で、すでに20歳以上となっていた専業主婦が該当します。これらの人は、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができない、つまり老齢基礎年金額が少なくなってしまいます。振替加算は、そういった方の年金額を補う役目をもっています。
そのため生年月日によって加算される金額が違います。振替加算をもらえる人は、昭和61年4月時点で、すでに20歳以上になっている人が対象なので、昭和41年（1966年）4月1日生まれまでの人になります。
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監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）
