Q:パート先で支払った厚生年金保険料はどうなるのですか?
「現在67歳で、年金受給者です。今、短期労働者として働いております。10月から、社会保険(厚生年金)に加入するようにいわれました。この場合、支払った厚生年金保険料はどうなるのですか? 言い方が悪いですが掛け捨てで、払い損になりますか? それとも今もらっている老齢厚生年金にわずかながら、上乗せされるのですか? それは70歳になってからですか? よくわからないので教えてください」(snoopyさん)支払った厚生年金保険料は、掛け捨てになるの?
A:支払った厚生年金保険料は、今の老齢厚生年金に上乗せされ、翌年12月の年金支給日から、改定された老齢厚生年金額で受け取れます
相談者は、社会保険に加入することになったとのこと。2022年10月から社会保険の適用の範囲が拡大され、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)は、会社と折半で支払うことになります。相談者は支払った厚生年金保険料がどうなるかを心配していますが、65歳以降、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入して働くと、毎年1回、9月1日時点の状況をもとに10月に老齢厚生年金額が改定されます。1年間、厚生年金保険料を支払った分が、12月から受け取る老齢厚生年金額に上乗せされて受け取れます。
つまり相談者の場合、2022年10月以降に支払った厚生年金保険料は、2023年9月1日時点の状況をもとに、2023年10月に再計算され、上乗せされた老齢厚生年金は2023年12月の年金支給日に受け取れることになります。
仮に、相談者が月収8万8000円の場合、厚生年金保険料は月額8100円ですが、1年間厚生年金に加入して、上乗せされる老齢厚生年金(報酬比例部分)の額は、年額5400円、月額にすると450円となります。
増額される老齢厚生年金は、生涯受け取ることができます。厚生年金に加入して長く働けば働くほど、将来上乗せされる年金は増えます。支払った厚生年金保険料は、払い損にはなりませんので、ご安心ください。
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文:辻村 洋子(CFP(R)認定者・1級FP技能士・証券外務員一種)
損保会社を定年退職後、ファイナンシャルプランナーに。「お金は人生を豊かにするためのもの」をモットーに、セカンドライフを充実させたい人への家計改善、老後資金の準備、遺言・相続などに関する相談を得意としている。お金の寿命をのばす専門家として相談者の不安や悩み相談を受けている。
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