薄口醤油・濃口醤油だけではない? 5種類の醤油の違い・特徴・使い分け
醤油は大きく5種類に分けられます。一般家庭で常備されている醤油は濃口醤油ですが、レシピに「薄口醤油」と書かれていてもあきらめる必要はありません。
日本人の食事に欠かせない「醤油」は、大きく5つの種類に分けられます。それぞれの特徴をみてみましょう。
■濃口醤油とは……特徴・塩分量
大豆:小麦=1:1で仕込む日本で最も流通量の多い醤油。味のバランスがよく、どんな料理にも合う万能し醤油です。食塩相当量(塩分)は14.5%。
■薄口醤油(淡口醤油)とは……特徴・塩分量
「淡口醤油」「うすくち醤油」と書くことも。大豆:小麦=1:1で仕込みますが、食塩を多く使い穏やかに発酵させます。色が薄いので、食材の色を活かしたい煮物などの料理に向いています。食塩相当量(塩分)は16.0%。
■たまり醤油とは……特徴・塩分量
ほぼ大豆だけで仕込みます。濃厚な色と独特の香りがあります。刺身や寿司に用いることが多いですが、加熱すると美しい赤色になるので照り焼きや佃煮などにも用います。食塩相当量(塩分)は13.0%。
■再仕込醤油(甘露醤油)とは……特徴・塩分量
大豆:小麦=1:1で仕込みます。生揚げ醤油と呼ばれる未加熱の醤油で仕込みます。砂糖やみりんを加えたものもあり、「甘露醤油」と呼ばれることもあります。九州や山陰地方、北陸地方などで刺身、寿司、冷奴などに使われます。食塩相当量(塩分)は12.4%。
■白醤油とは……特徴・塩分量
大部分を小麦で仕込みます。名古屋近郊で作られている醤油で、薄口醤油よりも色が淡く、黄金色に近い色です。煮物、吸い物、茶わん蒸しなど、食材の色を活かしたい料理に用います。食塩相当量(塩分)は14.2%。
意外だと思われるかもしれませんが、薄口醤油が薄いのは味ではなく「色」なのです。薄口醤油のほうが、濃口醤油よりも塩分濃度が高いという特徴があります。
薄口醤油の代わりに濃口醤油で代用可能! 2つの注意点
薄口醤油は濃口醤油で代用可能です。薄口醤油を常備していなくても、作りたいレシピをあきらめる必要はありません。注意すべきなのは、以下の2点です。1. 食塩含量の違い
薄口は濃口醤油に比べて、食塩含量が多いです。同じ分量で使うと塩辛くなってしまいます。
2. 色の違い
濃口醤油のほうが色が濃いので食材に醤油の色が染みこみます。レシピに写真が掲載されている場合には、その写真よりも全体的に茶色が強い仕上がりになります。
薄口醤油を濃口醤油で代用するコツ・おいしく仕上げる使い方
薄口醤油の代わりに濃口醤油を使う場合、濃口醤油をレシピの半分程度入れて、味見をしながら食塩(約1/4程度)を加えて味を整えれば、食材の色も活かすことができます。
または、自宅で気軽に作りたい場合には、ほぼ同量で代用してもよいと思います。いきなり同量をすべて入れてしまわずに、8~9割程度を入れてみて、味見しながら追加するようにしてください。ただし、仕上がりの色がイメージよりも濃くなってしまったりする可能性がありますので、食材の色を活かしたい場合には塩と併用してください。
塩分は薄口醤油のほうが多いのですが、醤油料理は出汁と塩分のバランスでおいしさが決まります。出汁の濃さによって醤油の量を調節するとおいしくできるのです。いずれの方法で代用する場合も、最初は薄めに味付けをして、少しずつ調節してください。
薄口醤油と書かれているレシピでも、ご家庭にある(濃口)醤油を使って、見た目も味もおいしい料理を作ってくださいね。
■参考サイト
- しょうゆの種類:原材料による分類(イチビキ)
- しょうゆを知る・種類(しょうゆ情報センター)
- 食品成分データベース(食品成分データ)