食費を抑えるのは逆効果?
お金を節約したいとき、どんなふうに節約していますか? 食費は切り詰める方法を間違えてしまうと体を壊してしまいます。注意が必要です。
「今月はピンチ!」とか「買いたいものがある」という時に、食費を削ってお金を作ろうとしていませんか? お金を計画的に使ったり、上手に節約したりすのはよいことですが、まず食費から削ろうとする人は要注意! 食事回数や食べる量を減らしたり、食べるものをとにかく安く抑えると、そのツケは体に回ってきます。金銭的にも結局高くつくことにもなりかねません。
間違った食費の削り方で起こる怖い事例と、健康と節約を両立するコツをご紹介します。
食費節約が不調を招く……疲労感・免疫力低下・生活習慣病リスクの増加
節約のために、食事回数や食事の量、バランスのよい食事がいい加減になると、まず最初に疲労感を感じやすくなります。十分な栄養を取っていないと、体が疲れやすくなるのは当然です。しかし、疲れはよくある不調ですので、食事の量や質による栄養不足が原因だと気づかない人も多いようです。栄養不足の状態が続くと免疫力が低下してしまい、体調を崩しやすくなります。この辺りになると、少し体調が悪いと自覚する人もいるかもしれませんが、「最近よく風邪をひくな」という程度で、あまり気にしない人もいるかもしれません。
そして、栄養不足による小さな負担が慢性的に体に積み重なっていくと、徐々に、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、貧血などの疾患のリスクが上昇していきます。このような疾患になってしまったら、食費で節約したお金も治療費として使うことになってしまいます。生活の質も大きく変わってしまうでしょう。
こうなると「食費の節約」は、「お金と健康の前借り」でしかありません。
食費節約と健康を両立させるコツ・ポイント
そうはいっても、食費を捻出するのが難しいという人もいるでしょう。色々な食材を揃えると高いからと、米やパスタや単一の安い食材をまとめ買いして、数日同じものを食べ続けるといった話も聞きます。しかしこれでは栄養欠乏は避けられません。米や麺類などは長期保存ができて満腹感も得やすいので、節約の味方にも見えるかもしれませんが、これらだけでおなかを満たす生活では栄養が偏ってしまうのです。
節約も大切ですが、健康を守るための考え方として、「主食(米、パン、麺のいずれか)」「主菜(肉、魚、卵、大豆製品のいずれか)」「副菜(野菜、果物、海藻、きのこのうち5種類以上)」を毎日食べることは、譲らないようにしましょう。この3つが食べられないような節約は、節約ではなく前借りのレベルと考えた方がよいです。
肉や魚、野菜などは長期保存ができないため、割高に感じるかもしれませんが、旬の食材などを上手に使えば、安価に買うこともできます。また、高い食材でなくても、健康は保てるのです。上手に栄養バランスの良い食生活を守って、歳を重ねても健康で楽しく過ごせるようなお金の使い方を考えてみてはいかがでしょうか。
■参考
- 低栄養(MSDマニュアル)