食生活・栄養知識

なぜ味噌汁は沸騰させてはダメなのか?沸騰させてしまった場合の裏ワザも

【管理栄養士が解説】味噌汁は、沸騰させないように作らないとまずくなってしまいます。でも「沸騰させてはダメ」とわかっていても、うっかり沸騰させてしまう人や、食中毒予防のためにしっかり加熱したいという人もいるようです。味噌汁を沸騰させてしまった場合においしさを取り戻す裏ワザ、安全においしく作るコツをご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

味噌汁は沸騰させるとまずくなる? しっかり加熱がダメなワケ

なぜ味噌汁は沸騰させてはダメなのか?沸騰させてしまった場合の裏ワザも

おいしい味噌汁を作るコツはとにかく沸騰させないこと。なぜ沸騰させてはいけないのでしょうか?

「味噌汁を作るときには沸騰させないように」と言われます。

「料理を作るときにはしっかり加熱して」と言われるので、味噌汁もしっかり沸騰させた方がよいと思っている人もいると思います。また「沸騰させないで」と聞いて、不思議だなと思っている人も少なくないかもしれません。

味噌汁を沸騰させてはいけない理由として、まず言えるのは「まずくなってしまう」から。

とはいえ、沸騰させた味噌汁だけを飲んでも、比較対象がなければ、さほどまずいとは感じないかもしれません。しかし、沸騰させていない味噌汁と沸騰させた味噌汁を比べてみると、その味の差は歴然としています。どうしてこのようなことになるかというと、味噌の風味が落ちてしまうからです。

味噌は大豆を麹菌で発酵させて作ります。その過程で、アミノ酸やビタミンなどを作り出します。こういったアミノ酸やビタミンなどが味噌の風味のもととなりますが、一部の成分が高温の加熱に耐えられずに壊れてしまいます。そのため、味のバランスが崩れたり、香りが飛ぶことでまずくなってしまうのです。
 

味噌汁をおいしく作るコツは「とにかく沸騰させない」こと

味噌汁を沸騰させるとおいしくなくなってしまう理由は「味噌を沸騰させてしまうから」です。
これを逆手に取れば、味噌を沸騰させないことに気を付けるだけで、おいしい味噌汁を作ることができます。

味噌は、出汁で具材をしっかり煮た後に溶き入れますが、味噌を入れる前にいったん火を止めて、ゆっくり溶かし入れるのがポイント。味噌を入れ終わったら、再び加熱し、「沸騰の直前に」火を止めます。沸騰の直前の見極め方は、音で判断する場合は、沸騰しているときに出る「グツグツ」という音が、「グツ」と鳴ったら止めてください。見て判断する場合は、汁の液面に山のような波が立ち始めたら沸騰する直前です。

食材はしっかり加熱しないと気になるという人は、味噌を入れる前に時間をかけましょう。味噌を溶き入れた後は、あまり加熱することができませんので、味噌を入れる前に食中毒予防も兼ねて、具材にしっかり火が通るまで加熱してください。また、味噌や味噌を溶き入れる際に使う調理器具は、料理に触れる部分には素手で触らないなど、衛生に気を付けて扱うようにしましょう。
 

温め直しで沸騰させてしまった! 味噌汁のおいしさを取り戻す裏ワザ

味噌汁は、1杯分だけを作るとどうしてもおいしく作ることができません。そのため、残ってしまうことも多いですね。そんな時は、温め直しが必要になることもあると思います。

温め直す際も、基本は加熱するのは沸騰の直前までが望ましいです。しかし、温め直しの時についうっかり沸騰させてしまった!ということは多いもの。特に、暑い季節は食中毒予防のためにしっかり加熱したいという気持ちもあるでしょう。

その場合は、しっかり加熱してOKです。食中毒予防が目的なら、沸騰させてしまいましょう。おいしさを取り戻す裏ワザがあります。ポイントは沸騰させた後で、味を確認しながら出汁(水)と味噌を少しだけ追加すること。作った直後と同じとはいかなくても、作りたての味にかなり近くなります。手間はかかりますが、試してみてください。
 
具だくさんの味噌汁は、夏は熱中症対策にもなり、冬はしっかりと体を温めてくれる、健康によい一品です。毎日の食卓でおいしく楽しみながら、元気に過ごしていきましょう。
 
■参考
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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