寿司

スシローは本当に悪質だったのか。消費者が“まだ”知らない「おとり広告」騒動の裏側【回転寿司評論家が解説】(5ページ目)

回転寿司チェーンのスシローは6月9日、消費者庁から「おとり広告」による景品表示法に基づく措置命令を受けた。しかし、それから1カ月余りで「半額ビールキャンペーン」でも問題が発覚。誤解を招く広告表示で物議を醸すスシローについて、回転寿司評論家が解説する。

米川 伸生

執筆者:米川 伸生

寿司ガイド

スシローにあるのは消費者を欺く「悪質さ」だけなのか

寿司という職人が握る高価な食べ物を大衆が楽しめる業態にしたことが回転寿司の存在意義であるが、まだまだ職人気質が残る文化があり、完全な透明性を持つ業態ではないことが今回、明らかになった。近い将来、100円で寿司が食べられる時代は必ず終焉する。これまで100円でも利益が出ていたイカやタコ、蒸しエビですら元値が値上がりしており、企業としても我慢の限界が来ている。

そんな時代にあって100円でうにを提供しようなんて無茶な試みをする飲食業態が他にあるだろうか? 今回、おとり広告で消費者を欺いた、という側面は確かにあるのかもしれないが、決して悪質なわけではなく、その裏には「おいしいものを安く食べてもらいたい」という回転寿司の第一義があるだけだと信じている。

マスコミでは批判的な意見ばかりが目につくが、悪質さというのは個人的にはまったく感じていない。ただ慣習に流されていたこと、社内の風通しが必ずしも良くなかったこと、それに尽きる。他の企業も他山の石として改善していただけることだろう。といったわけで回転寿司評論家としては「人気キャンペーンは序盤を狙え!」とだけ伝えさせていただきます。


参考:
※1:消費者庁 公式サイト(https://www.caa.go.jp/notice/entry/029023/
※2:スシロー 公式サイト(https://www.akindo-sushiro.co.jp/news/detail.php?id=2776
※3:FOOD & LIFE COMPANIES 公式サイト(https://food-and-life.co.jp/wp-content/uploads/2022/07/20220716.pdf
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