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【注意】熱い路面で「タイヤ」トラブル多発!高速道路でパンクしても絶対避けたい危険行為

夏場は1年で最もタイヤ関係のトラブルが多い。特に高速道路でのパンクやバーストによる救援要請は、全体の3分1以上になるという。事前回避は可能か、また、もしも自分のクルマがパンクしたらどうすればいいのか。自動車評論家の国沢光宏が解説する。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

日本自動車連盟(JAF)で行っているロードサービスのデータ(※)を見ると、夏場は1年で最もタイヤ関係のトラブルが多い。特に高速道路でのパンクやバースト(タイヤの破裂)による救援要請は、全体の3分1以上になるという。

なぜ夏場にタイヤのトラブルが増えるのかと言えば、ザックリ言うと「ゴムは熱で柔らかくなるため」だ。クギや路面に落ちている尖った物体なども刺さりやすくなる。
クギが刺さったタイヤ

【1】クギが刺さったタイヤ。路面に落ちた「尖った」形状のモノも刺さりやすくなる

 

Q. パンクは事前に回避可能か?

どうしたらいいか? タイヤトラブルの大半は、事前チェックで防止可能。「空気圧」と「タイヤ側面のヒビ」の2点に注意すればOKだ。

タイヤの空気圧が低いと過熱してしまいバーストに直結する。10年以上使っているようなタイヤは、ゴムが劣化して外側から見てもわかるヒビなどが入ってくる。これまたバーストの原因。 空気圧を適正に調整し、古いタイヤを使っているならこの機会に交換を考えたい。
 

Q. パンクしたら修理か?スペアタイヤか?

パンクしたときは、どうすればいいだろう。あまり認識されていないものの、最近のクルマは「スペアタイヤ」を搭載していない。

大雑把に区切れば2010年前後に登場したモデル以降、スペアタイヤの代わりに穴を塞ぐ効能を持つパンク修理剤と電動ポンプがセットになった「修理キット」を積んでいる。トレッド面(路面と接触する部分のゴム層)に刺さったクギなどであれば、ほぼ修復可能。タイヤの脱着作業も不要で簡単だ。

皆さんは使ったことがないと思うけれど、クルマに入っている『取り扱い説明書』を読めば誰にでもわかるようになっている。パンクの原因になっているクギなどを抜いて修理剤を注入。電動ポンプをシガーライターに繋いで空気を入れるだけ。その状態で何km走れるとは書かれていないが、しばらく走れる。帰宅してからタイヤ店に行き、本格的な修理をしてもらえばいい。
 

Q. 山の中や深夜の移動中にパンクしたら?

ただし! タイヤの側面を傷つけた場合や、前述のようなバーストだと修理剤ではどうしようもない。夏休みのドライブで山の中を走っていたり、深夜の移動だったり、タイヤ店が休みだったりすると、その場で動けなくなってしまう……ということを考えた時に準備しておきたいのが、オーソドックスなスペアタイヤ。トヨタ車などは、今でもスペアタイヤをオプション設定している。
スペアタイヤを装着したクルマ

【2】スペアタイヤを装着したクルマ

売れ筋のミニバンである「ノア」のカタログを見ると、応急用スペアタイヤが掲載されており、1万4300円(税込)で購入できる。応急用タイヤとは写真【2】【3】のような通常のタイヤより少し幅が狭いタイプ。
スペアタイヤ

【3】応急用スペアタイヤ。通常のタイヤより幅が狭く最高速80km/h以下指定

最高速80km/h以下で使うよう指定されていものの、普通に走れてしまう。標準タイヤよりコンパクトだから、収納も簡単。この金額で安心を買えるなら安いと思う。
 

Q. スペアタイヤの購入、おすすめは?

現在使っているクルマがスペアタイヤの収納スペースを確保できているなら、応急用スペアタイヤを買うということもできる。

一番早くて確実なのはディーラー。早ければ翌日に入荷する。ネット通販なども便利。一方、注意しておきたいのは中古品。現物をチェックできない個人売買は、10年以上経ったゴミのような応急用スペアタイヤも混じっている。良品で1万円前後と覚えておいてほしい。
 

Q. 走行中にパンク、絶対NGの危険行為は?

ちなみに、走行中パンクに気づいたらどうしたらいいか?

一般道なら安全な場所に停め、パンク修理を試みればいい。前述の通りトレッド面のパンクなら基本的に修理キットで対応できるだろう。

高速道路でのパンクは少々厄介。追い越し車線で異常を感じたら、慌てず左車線に移り、その後、路肩を走る。もし大きな音などが出ず走行可能なら、そのままゆっくり移動していただきたい。

パンクしたまま走るとタイヤはダメになってしまう(写真【4】)。
パンクしたまま走り続けたタイヤ

【4】パンクしたまま走り続けたタイヤ

でも路肩に止まる危険性の高さと比べれば、お金で済む問題。高速の出口かSA/PA、バス停のいずれかをめざし、そこまで走れなければ少しでも路肩が広い場所まで移動し、すぐに左側から全員車外に出てガードレールの外側で待つこと。絶対に車内に居ちゃダメ。大型トラックに追突されたら命に関わってくる。三角停止板を出して高速道路会社に通報してほしい。

自動車でトラブルが起きると命に関わってくる。乗るならば、最低限の知識を持っておくことをすすめておく。

※参考:日本自動車連盟 (JAF)


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