リモートワークに使えるホワイトボード的ツール
まずは、「国際文具・紙製品展」通称ISOTで第31回 日本文具大賞2022、デザイン部門優秀賞を受賞した、wemo×福永紙工の「paper flip board」3850円(税込)。WEB会議用ビジュアル筆談ツールと銘打たれた、紙製のホワイトボード的な製品です。コンパクトなホワイトボードはいろいろありますが、この製品の特長は消えやすいこと。書いてから96時間放置した後に消しても、消し跡を残さずにキレイに消せるのです。 そして、紙製なので軽くて扱いやすいのです。イレーサーにペンを立てておくことができたり、イレーサーをボードに装着すると、ペン差しとしても、ボードを立てておくためのスタンドにもなったりするというデザインも見事です。特に、WEB会議などで使う場合、立てて収納できることは重要。また、置いた時の見た目の良さも、家庭に置く道具としては大事なポイントです。機能だけでなく、そういった部分にも目を配ったところがいいですね。 もう一つ、こちらもコンパクトなホワイトボードですが、第一合成の「WIPE」(近日発売予定)も面白いアイデアの製品になっていました。紙に特殊加工を施したホワイトボードという部分は、他社の製品と同じなのですが、そのボードに布製のカバーがついていて、持ち歩きやすい仕様になっています。しかも、そのカバーがそのままイレーサーになっているので、広い範囲を一気に消すことができます。 また、カバーが滑り止めになって、ボードを立ててプレゼンできるスタイルになるのも気が利いています。カバーを留めるゴムバンドがペンホルダーにもなるなど、デザインがスマートで扱いやすいだけでなく、持ち歩くことも十分に考えられたシックなデザインに仕上げてあるところが気に入りました。
マグネットを活かした文具と雑貨に注目
KAWAGUCHIのグッズブランド「Cohana」による「トレイになる筒箱の道具入れ」3630円(税込)は、紙製のペンケースとして使えるツールボックス。この製品もISOTで第31回 日本文具大賞2022、デザイン部門優秀賞を受賞した製品。1926年創業の高知県の紙箱を長く作ってきたメーカー「チカモリ」の手加工に近い古い機械を使って作られたものです。 開くとトレイ状になる構造の道具入れとしての使いやすさと面白さに加え、本体内に仕込まれたマグネットで、金属のデスク上で開くと、ぴったりと水平に開くようになっています。閉じると四角い筒になって、バッグなどへの収納も楽な上、表面に目盛りが入っていて、ちょっとした長さを測る時にも使えます。重さ44gという軽さもうれしいですね。 個人的に最も気に入ったのが、マグエバーの「マグプラス」参考価格1100円(税込)~です。二つのマグネットで挟むことで、木やガラスの板でもフックなどを付けることができる「マグサンド」で有名なメーカーの新製品。今度は、マグネットと吸盤を合体させることで吸着力をアップ。さらに、三脚ネジのネジ穴が付いたことで、使用範囲が大幅に広がりました。 三脚穴用のネジは、多くの製品のジョイントに使われている規格品なので、この製品と組み合わせると、例えば、スマホを三脚に取り付けるためのアダプターを、車のボンネットやスチール本棚などに簡単に設置することができるようになります。また、小型のLED照明機器と組み合わせれば、常夜灯や非常時の照明にもなるし、マグサンド同様、2つ使ってガラス面に貼り付けて洗濯物を干すのに使ったりと、その応用範囲はとても広いのです。シリコンで包まれてガラスなどにも傷を付けない強力なマグネット+吸盤の吸着力は本当に強くて、スマホを垂直に取り付けてもびくともしません。一般発売が楽しみです。 マグネットを使ったものでは、印友社の「ドアPETAハンコ」1980円(税込)も便利そうでした。要は、ドアやスチール棚にくっつく、磁石付きのハンコですが、吸着面が斜めになっているのがポイント。それだけで、着脱がとても楽になるし、一時的なフック代わりにも使えるなど、玄関ドアに付けておく意味が増えるのがいいと思うのです。第31回 日本文具大賞2022、機能部門優秀賞を受賞しています。 SUGAI WORLDの「クリップ&カード mini」396円(税込)もとても気の利いている製品です。SUGAI WORLDの人気商品で、手帳や本のしおり的にも使えるし、普通にクリップとしても使えます。さらに、水に濡らして柔らかくなったところでポーズなどを変えて乾かすと、その形で固まりカスタマイズも楽しめます。動物モチーフの「クリップファミリー」から、人気の3種類をセレクト。封筒付きのミニカードとセットにした製品です。 贈り物に添えるミニカードに可愛いクリップが付いていれば、リボンなどにメッセージカードを留めておくことができるし、さらに、贈られた側も、そのクリップを使ったり、変形させて遊んだりできるわけです。こういう、便利と遊び心とデザイン性が有機的につながっている製品が、グリーティングの市場にも登場しているのが、最近の文具の面白いところだと思います。