月当たりの通信量が1GBであれば月額0円で利用でき、どれだけデータ通信を利用しても月額3278円というリーズナブルな料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」が人気の楽天モバイル。ですが、その楽天モバイルが2022年7月1日より提供開始する新しい料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で、月額0円で利用できる仕組みが廃止され、通信量をどれだけ節約しても月額1078円がかかってしまうようになることが、大きな波紋を呼んでいます。
 

新料金プランの「月額0円」廃止が話題に

楽天モバイルが2022年7月に開始予定の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」。通信量1GB以下であれば月額0円という従来プランの特徴の1つが廃止され、話題となった

楽天モバイルが2022年7月に開始予定の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」。通信量1GB以下であれば月額0円という従来プランの特徴の1つが廃止され、話題となった

Rakuten UN-LIMIT VIは月額0円で1GBの通信が利用できるだけでなく、専用アプリの「Rakuten Link」を使って国内通話を無料でかけられるほか、「楽天市場」で買い物をした時のポイント付与率が1倍増えるなどのメリットを得ることができました。それゆえ楽天モバイルをデータ通信以外の用途に活用し、月額0円で利用し続けている人も少なからずいたのです。

・現行プラン利用者は全て新プランに自動移行
現行の「Rakuten UN-LIMIT VI」は、通信量を1GB以下に抑えれば月額0円での利用が可能。それでいて「Rakuten Link」による国内無料通話なども利用できる

現行の「Rakuten UN-LIMIT VI」は、通信量を1GB以下に抑えれば月額0円での利用が可能。それでいて「Rakuten Link」による国内無料通話なども利用できる

楽天モバイルは分かりやすさを重視してワンプランにこだわっており、法律上の問題もあって既存プランを提供し続けることができないと判断しました。2022年7月以降、現行プラン利用者は全て新プランに自動移行することとなります。新プラン提供後から4カ月は月額0円、あるいはポイント還元により実質0円で利用できる仕組みも用意されるようですが、その後は契約している限りお金がかかってしまうことに変わりありません。

それゆえ新料金プラン発表直後より、今後月額0円で使えなくなる楽天モバイルから、競合他社の低価格プランに乗り換えるユーザーが急増しているのではないか?という動きがいくつか出てきています。

その1つが、同じく月額0円から利用できるKDDIの「povo2.0」に関するもので、楽天モバイルが新料金プランを発表した直後の2022年5月14日、申し込みが集中しており本人確認に時間がかかっていることを公表しています(その後増員により解消されたとのこと)。
 

楽天モバイルとpovo2.0とでは仕組みが全く違う

povo2.0に楽天モバイルから乗り換える場合、同じ月額0円から利用できるとはいえ、料金プラン自体の設計が全く違う点に注意する必要があります。

Rakuten UN-LIMIT VIは先にも触れた通り、月額0円から1GBのデータ通信と無料の国内通話などが利用できますが、povo2.0は月額0円で利用できるサービスにかなり制限があり、128kbpsの低速データ通信と、従量制の音声通話、SMSのみ。実用的に利用できるようにするには、有料の「トッピング」を追加する必要があるのです。
「povo2.0」の仕組み。月額0円で利用できるのは128kbpsのデータ通信と従量制の音声通話・SMSのみで、高速通信や定額通話をするには有料トッピングの追加が必要になる

「povo2.0」の仕組み。月額0円で利用できるのは128kbpsのデータ通信と従量制の音声通話・SMSのみで、高速通信や定額通話をするには有料トッピングの追加が必要になる


・上手にトッピングしないと損をしてしまうことも
特に多く利用されるのは、高速データ通信が使えるようにするデータトッピングになると思われますが、povo2.0のデータトッピングは「○○○円支払うと、○○GBのデータ通信量を○○日使える」という仕組みです。上手に計算してトッピングを利用すれば料金を大幅に抑えられるのですが、そうでないと逆に「期間内にギガを使いきれなかった」「想定以上にギガを使ってしまい、追加トッピングした」など、損をしてしまう場合もある点に注意が必要です。
povo2.0のデータトッピング。月額制ではなく「〇GBの通信量を〇日間使える」という仕組みなので、よく考えて利用しないと損をする場合もある

povo2.0のデータトッピング。月額制ではなく「〇GBの通信量を〇日間使える」という仕組みなので、よく考えて利用しないと損をする場合もある


・「通話かけ放題」は月額1650円
また、povo2.0のトッピングで「通話かけ放題」を付加した場合、その料金は月額1650円になります。アプリ経由での通話という制約はありますが、新料金プランでも月額1078円で国内通話し放題になる楽天モバイルの方がお得だともいえるでしょう。

・「ギガ活」で一定量のデータ通信量を入手できるが、月額0円運用はできない
ただデータ通信に限れば、povo2.0でも「ギガ活」を利用して通信量を無料に抑えることも可能です。ギガ活は、さまざまな形で入手できるコードを使うことで、一定量のデータ通信量を入手できるというもの。確実にコードを入手できるのは対象のお店で買い物をした時で、一定以上の金額を利用する、あるいはau PAYで購入すればコードを入手できます。
さまざまな手段でデータ通信量が手に入るコードを入手できる「ギガ活」。最もポピュラーなのは、指定のお店で「au PAY」を使うなどして買い物をし、コードを入手する方法

さまざまな手段でデータ通信量が手に入るコードを入手できる「ギガ活」。最もポピュラーなのは、指定のお店で「au PAY」を使うなどして買い物をし、コードを入手する方法

もらえる通信量や利用できる期間は店舗や支払った料金によって「300MBを3日間」「1GBを7日間」などの違いがありますが、コードを入力すればその期間・通信量の範囲内であれば無料で高速データ通信が可能になります。ただ配信されたコードには一定の入力期限が設定されているので、その期限内に使わないと無効になってしまう点には注意が必要です。

ただしpovo2.0はギガ活だけで月額0円運用し続けることはできず、180日の間に有料トッピングを購入しなかった、あるいは期間内の通話・SMSの料金合計が660円を超えなかった場合は解約されてしまいます。またそもそも、お金を払って買い物などをしないと通信量を確実に手に入れられないことを考えると、純粋に無料で利用できるとは言い難いのも確かです。
 

povo2.0に乗り換えるべき人は?

それらの特徴や注意点を考慮すると、楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えた場合、ギガ活をうまく活用すれば完全に月額0円とはいかないまでも、料金を相当抑えられる可能性があるのは確かです。一方で、ギガ活をフル活用するには日常の買い物や食事をする場所が限定されてしまいますし、トッピングもよく考えて利用しないとかえって損をする場合があることに注意する必要があります。

そうしたことを考えると、povo2.0に乗り換えるべき人は、やはり節約に手間はいとわないので、可能な限り月額0円に近い料金で利用したい人になるでしょう。そこまでの手間はかけたくないのであれば、ソフトバンクの「LINEMO」の「ミニプラン」(通信量3GBで月額990円)など、必ず月額料金はかかってしまいますが、楽天モバイルの新料金プランより安価に利用できる小容量のサービスを選んだ方がよいかもしれません。
「LINEMO」のWebサイトより。楽天モバイルの新料金発表以降、ミニプランの申し込みが急増したことから、ミニプランの基本料相当のPayPayポイントを最大6カ月間還元するキャンペーンを2022年5月20日より実施、楽天モバイルからの顧客獲得に力を入れている

「LINEMO」のWebサイトより。楽天モバイルの新料金発表以降、ミニプランの申し込みが急増したことから、ミニプランの基本料相当のPayPayポイントを最大6カ月間還元するキャンペーンを2022年5月20日より実施、楽天モバイルからの顧客獲得に力を入れている

また先にも触れた通り、国内通話定額の利用が目当てならば、新料金プランでも楽天モバイルの方が他社の通話定額オプションよりお得なことが多いので、契約し続けた方がメリットが大きいでしょう。さらに言えば、毎月3GB以上データ通信をしており既に楽天モバイルにお金を払っている人の場合、新料金プランに移行しても違いはないので乗り換える必要はありません。

楽天モバイルの月額0円終了は確かに衝撃を与えましたが、楽天モバイルのサービスにまだお得な部分が多いのも確かです。一方で乗り換え先候補となるサービスにもそれぞれメリット/デメリットがあることから、その違いと自分の使い方を考慮して、冷静に乗り換えを判断すべきではないでしょうか。


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