1カ月の食費の平均は7万8576円
総務省が毎年発表している「家計調査」では、何にいくら使ったのか?という平均額を知ることができます。それによると2021年の二人以上の世帯のうち勤労者世帯の毎月の食費の平均額は、7万8576円で新型コロナの感染拡大以降、外食が減ったものの、調理食品やお菓子、飲料、酒類は増える傾向にあります。食費の5割は「外食」「調理食品」「嗜好品」
内訳を円グラフにすると、「外食・調理食品」で約3割を占め、さらに「菓子類・飲料・酒類」といった嗜好品をプラスすると、これらで食費の5割を占めていることが分かります。料理をするための食材である「穀類・魚介類・肉類・乳卵類・野菜海藻・果物・油脂調味料」は、たった半分という結果です。「外食」が減った分「調理食品」に合わせて、「菓子類・飲料・酒類」もついつい増えてしまった……という状況でしょう。この辺りに無駄が潜んでいると思われます。
食費の見直しは「調理食品」と「嗜好品」から!
食費の見直しでまず考えたいのが、「調理食品」と「嗜好品」の2つです。「調理食品」の手軽さは、働く主婦にとってもありがたいもので、特に新型コロナの感染拡大以降、料理店もテイクアウト商品に力を入れ、魅力的なものにあふれています。コロナで我慢を強いられているから……とついつい自分に甘くなっていませんか? しかしこれ以上、頼りすぎると食費がどんどん増えてしまいますので、お弁当の回数を増やす、自宅でホットプレートや鍋を活用し、楽しみながら食べられるレシピを身に付けていくことも大切です。
また、嗜好品は「コロナ太り」を招くため、減らしていくことを心掛け、家計も体重もスリムにしていくことを目指しましょう。
調理食品や嗜好品は、自分の「食べたい、楽をしたい」といった「欲望」のコントロールが必要です。例えば、「お弁当の回数を1回増やす」「料理の回数を1回増やす」「お酒は2日に1回」「お菓子のストックはしない」というように、無理のない範囲で具体的な目標を掲げてみるとよいでしょう。
今回の統計は日本全体のものですが、実際の支出割合は家庭によってさまざまです。まずは家計簿をもとに、我が家の食費の内訳を知る必要があります。食費の項目を「食材」以外にも「調理食品」「外食」「嗜好品」と、細かく分けてみるとよいでしょう。
日本人の多くが米よりパンにお金を払っている!
家計調査の食費の内訳をもう少し細かく見てみると、おもしろいことが分かりました。穀類の月額平均は6600円ですが、そのうち米1708円、パン2728円、麺類1683円と、米よりパンに多くのお金を払っていることが分かります。 さらに、麺類の多くが小麦を材料としているので、米より小麦製品に多くのお金を払っていることが分かります。小麦が高騰しているからこそ、「米」中心の食生活にするのも節約になりそうです。食品価格の高騰にどう備える?
ロシアによるウクライナ侵攻により、小麦や原油などの価格が跳ね上がったことで、多くの食品の価格に影響を及ぼし、今後も食品値上げは止まりそうにありません。またこの数年、台風や集中豪雨の影響もあり、定期的に野菜の価格高騰が起きています。食品の価格高騰が起きても、家計を守り、おいしく栄養のある食事を作るためには、安い食材を手に入れて料理をする必要があります。価格の安定している野菜を使いこなすことも、ポイントです。
■価格の安定している野菜類の一例
もやし、かいわれ、きのこ、カット野菜、冷凍野菜、野菜ジュース、宅配野菜
食費を節約する時に大切なポイントは「使い切る」こと
日本国内の食料廃棄量のうち、家庭からの廃棄量は3割といわれています。この廃棄量を減らすだけでも食費はぐんと減りますね。これまで捨てていた野菜の皮をきんぴらにするなど、食材を「使い切る」ことで食卓のおかずが一品増えれば、満足度も高まります。他にも使い切れず、冷蔵庫で眠っている調味料があるかもしれません。基本的な調味料がそろっていればたいていの味付けは可能なので、安易にあわせ調味料を買うのではなく、自宅にある調味料で作れるように料理の腕を上げたいですね。
今後も、インフレや原油高、原材料高、仕入れ価格高騰で、食品の値上げというのは続く可能性が高いと思われます。あらためて食費の無駄はないか、これまでのお金の使い方でよかったのか、と見直し、さらに料理の腕を上げることこそ、食費の節約になるのではと思っています。
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