黒インクは後ろのノックボタンで出せる
三菱鉛筆「JETSTREAM 新3色ボールペン」550円(税込)。軸色は左からブラック、ホワイトライトピンク、アイスブルー、ベリーピンク、グレージュ(以上、ボール径0.5mm)、ネイビー、ダークオリーブ、レモンイエロー(以上、ボール径0.7mm)。
とはいえ、1本の軸で複数の色を使えるようにするために、単色のペンに比べると、構造的に無理をしている部分もあるし、黒インクばかりが先になくなって、仕方なく青インクで代用するとか、いっそ赤+黒+黒の構成にして3色ボールペンを使っている人(少し前の筆者です)などもいるくらいです。
三菱鉛筆の「JETSTREAM 新3色ボールペン」550円(税込)は、3色ボールペンの便利さを享受しながらも、なんとなく不満に思っていた部分が見事に解消された、正に新しい3色ボールペンなのです。ですがこれ、普通に渡されたら、自然に使えてしまうくらい、筆記具として不自然な点がないのが、とてもすごいと筆者は思っています。 従来のものと一番変わった点は、黒の芯だけを後ろのノックボタンで出せるところでしょう。通常の3色ボールペンは軸のサイドに3つのスライドするタイプのボタンがあって、そこを押すと、その色に対応した芯が出ます。なので、黒を出したいと思ったら、黒のボタンを探してスライドさせる必要があります。このペンは、黒については普通のノック式ボールペンのように、軸の後ろのノックボタンを押せばいいのです。なので、何も見ないでスムーズに黒が出せます。
黒をメインに使うために考えられた操作性
当然、もう一度押せば、黒の芯は引っ込むのですが、それだけではありません。黒の芯を出したまま、サイドにある従来通りのスライドボタンを押せば、ちゃんと黒の芯が引っ込んで、赤や青の芯が出るのです。当然、その状態で後ろのノックボタンを押せば黒の芯が出るし、どの色が出ていても、各ボタンを軽く押せば芯は引っ込みます。この操作性、使い始めると、これじゃないと面倒くさいと思うくらい便利な上に、あっという間に慣れて、とてもしっくりと馴染みます。 要するに、3色ボールペンといってもメインで使うのは黒だという、実際の使用シーンを踏まえた改良で、だからこそこういう構造は初めてなのに、すぐに普通に使えてしまうのです。そしてこの3色ボールペンは、黒インクだけ従来と同じサイズのまま、インク量を70%増量しています。サイズが同じですから、従来品との互換性はそのままに、インクの量だけが増えているのです。つまり、赤や青に比べて、頻繁に使うから黒インクだけすぐなくなる、という問題も解消してくれるのです。これも、ノックボタン同様、3色ボールペンの実際の使用シーンを考えた改良ですね。ついでにプラスチックの使用量が減って環境にも配慮した替え芯になりました。
クリップの耐久性など基本性能も向上
もちろん、インクはジェットストリームの低粘度油性インクですから書き味は滑らか。スムーズに書けるので、あらゆる筆記シーンに対応します。また、3色ボールペンは、それ一本だけポケットにさして使うといったことも多いため、クリップに金属パーツを埋め込んで耐久性を向上。胸ポケットやカバンのペン差しなどからの頻繁な出し入れでも、簡単にクリップが割れるというようなことがありません。 購入時にセットされているリフィルのボール径は0.5mmと0.7mmの二種類ですが、リフィルは「SXR-80」タイプを使用しているので、替え芯としては0.38mmも使用可能。もちろん、0.38mmのリフィルにも、増量黒インクバージョンが用意されています。 実用性を重視したペンなので、ややそっけないデザインに見えますが、軸の太さやグリップの握りやすさなどは、三菱鉛筆ならではのもの。淡い軸色の発色の細やかさなど、シンプルな中に、持っていて嬉しい仕様に仕上げています。更に2022年3月14日には、軸色とクリップの色を変えたツートン・デザインの限定軸も発売。長く愛用できる機能のペンなので、こういう展開もうれしいですね。【おすすめ記事】