大人になると、何をやっても「できて当たり前」と思われる。本当は「褒められたい」のに……
「無理に褒められないようにする」ことは大事
本来は、大人になろうと「できて当たり前」「やって当然」なんてことはないですし、ものすごく頑張ったのであれば、「誰かに褒められたい」と思うものです。ただ、自慢をしたり、恩着せがましいことを言ったりして、無理に褒められようとすると(=相手が褒めるように、コントロールしようとすると)、「面倒だ」「この人、苦手だな」と思われてしまう可能性は高くなるでしょう。
例えば、職場の上司(先輩)が部下(後輩)に自慢をして、褒められようとしている場面を目撃したことがある人は多いのではないでしょうか。そんなとき、周りがその上司(先輩)を「チャーミング」だと思っていればいいのですが、日頃から良い関係が築けていない場合は、「子どもっぽい人」「残念な人」だと思われてしまうこともあるでしょう。
もちろん部下(後輩)であれば、気を遣って褒めてくれるかもしれません。しかし、自分とは関係ないことで相手が頑張ったとして、それを聞かされても、本音の部分では「へぇ。だから?」と思うこともありますよね……。
だから、どんなに褒められたいときでも、「子どもっぽい言動はしていないか」と、自分を客観視したほうが良いでしょう。
褒められたいときは、気の置けない相手に褒めてもらおう
だからといって、「褒められたくても、我慢したほうがいい」と言っているわけではありません。褒められたいときは、“褒めてもらう相手”を的確にチョイスすればいいのです。例えば、家族や友達など、気の置けない相手であれば、あなたが頑張った出来事を自分のことのように喜び、褒めてくれるはずです。ただし、そんな相手であっても、褒めるように誘導されていると気が付くと、「面倒だ」と感じてしまうかもしれません。こざかしいことはせず、素直に「ねぇ、褒めて!褒めて!今日、こんなに頑張ったんだ」と言えば、相手もあなたを「すごいね」と褒めたくなるはずです。
逆に、日頃、相手が頑張っているときは、きちんと褒めてあげることは大切です。お互いに認め合えるような存在がいると、安心感を抱くもの。そういう相手を大切にしたいものですよね。
自分で自分を褒めてあげる
親しい相手に褒めてもらうにしても、その頻度があまりにも高いと「うざい!」と思われてしまうが恐れがあります。そうならないためにも、日頃から自分で自分のことをきちんと褒めてあげられるようになりましょう。自己をきちんと認め、愛せるようになっておくのです。それができるようになると、わざわざ人に褒められようとは思わなくなってくるかもしれません。例えば、ある大御所のタレントさんは、眠る前に自分の身体をさすりながら「頑張ったね。お疲れさま」と言って感謝をするそうです。そうすると、身体の調子が良いのだとか。
頑張ったときは、自分のことをきちんと褒めて、時にご褒美をあげましょう。そうやって、自分の気分を良くし、機嫌をとれるようになっておくことは大切です。
「自分がしたいから、しただけ」と思うことも大切
人は、他の人のために自分を犠牲にして行ったことに関しては、「見返り」や「成果」を求める傾向があります。そんなときは、人から褒められたくて仕方なくなるでしょう。ただ、多くの人にとって、“見返りを求められる親切”ほど、苦手とするものはありません。だから、誰かのために何か行動をしたときは、自分自身も「したいから、しただけ」と思えるくらいの心持ちでいたほうがいいですし、無理はしないほうがいいのです。「無理をする」というのは、見方によっては「自分を大切にしない行為」でもあります。自分を大切にできない人は、本当の意味で人のことを大切にはできません。だから、したいことはする、したくないことはしない代わりに、自分がしなくても済む方法を選ぶようにするといいでしょう。
そうしたら、むやみに人から褒められようとしなくなるし、自分を大切にする分、人のことも大切にできる人になるでしょう。