亀山早苗の恋愛コラム

落ち着いた人だと思っていたのに…感情は常に低め乱高下、すぐ黙り込む「フキハラ」夫に正直疲れた!

どうにもならない不愉快に襲われて気持ちが沈むこともある。家庭内で、どうやって自分の気持ちをフラットに保つのか。このコロナ禍、意外とむずかしいのではないだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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すぐに「黙り込む」夫に困惑

フキハラ

大人であれば、極力、自分で自分の機嫌をとって他人には快い笑顔を向けるべきだ。だが、大人だからこそ、どうにもならない不愉快に襲われて気持ちが沈むこともある。怒りをコントロールするために言葉を発しない人もいるかもしれない。家庭内で、どうやって自分の気持ちをフラットに保つのか。このコロナ禍、意外とむずかしいのではないだろうか。

 

もともと寡黙なタイプの夫だったけど

「夫の感情はいつでも低め乱高下なんです」

そう言って苦笑するのはアキさん(40歳)だ。8歳年上の男性と結婚して11年、9歳と6歳の子どもがいる。

「つきあっているときも新婚時代も、夫はどっしり落ち着いている、頼りになると思っていました。でも実際は頼りになるわけではなくて、いつでもテンションが低いんです。さらにその低いテンションの中で上下するから、私には夫がいつ不機嫌になるのか、いつ機嫌がいいのかほとんどわからない」

同じ会社の違う部署で共働きを続けているふたりだが、家庭ではあまり仕事の話をしない。取り決めたわけではないが、夫は仕事の話を嫌がる。

「でもある日の帰宅後、ものすごく仏頂面をしているわけですよ。何かあったのと聞いても答えもしない。以前から、話しかけたら無視だけはしないでほしいと言っているのですが、そういうときは思い切り無視されます。そして私は翌日、会社に行って、夫の部署で何があったか知るわけ。あんな仏頂面するほどのことか、と思うような些細なことでも夫にとっては気になるんだなあ、器が小さいなあと思ったり(笑)」

そもそも、子どもとのやりとりを聞いていても、夫は子ども目線には立たないタイプ。常に部下に注意をしている上司のような話し方をするのだという。

「子どもが小さいときから赤ちゃん言葉は使わなかったですね。それはいいんですが、幼い子が回らない舌で『おはよ』と言うと、『おはようございます、と言え』といきなり言う。子どもの成長を見守ることができないんです。この人、仕事でも部下や後輩の面倒見がよくないんだろうなといつも思っています」

夫が同僚と飲みに行ったり、親しいつきあいをしていることを聞いたことがない。

 

どうして結婚したんだっけ?

All About

アキさんは男女問わず友人が多い。コロナ禍前は、週末になると子連れで友人に会ったり、実家に子どもを預けてテニスに行ったりしていた。夫も誘ったことがあるが、スポーツは嫌いだと一言で片付けられた。

「ときどき、どうして結婚したんだっけと思うことがあります。当時、私、上司と不倫していたんですよ。もう別れたい、でも別れられないと悩んでいた。ある日、残業後にその上司と食事にでも行けるかなと思ったら帰るというので、なんだか気持ちがくすぶってしまって。会社から少し離れたバーにひとりでふらっと行ったんです。そうしたらそこに夫となった彼がいて。顔は知っていたので隣に座って、ぽつりぽつりと話したんです」

アキさんは、もちろん社内の人とは言わなかったが、不倫をして辛い思いをしていることをつい話してしまった。すると彼は「あなたみたいな人がそんなことをしていちゃダメだ」と説得力のある声でつぶやいた。

「そこからときどきデートするようになったんです。上司への気持ちを吹っ切らせてくれたのが彼。恩義を感じましたが、それを愛情だと勘違いしたのかもしれません、私。もう不倫はしない、別れたと言ったら、彼は『よかった。結婚しよう』って。つきあうようになって半年足らずでしたね」

彼といて楽しかったわけではない。だが、家庭をもつならこんなふうに落ち着いている人がいいと思ったのだった。

「でもねえ、私は陽気で楽しいことが大好き。だから家庭でも冗談ばかり言って笑っていたいんです。夫が帰ってくると、うちはなぜかシーンとしてしまう。夫が声を荒げて怒ることはめったにないけど、機嫌がいいのか悪いのか、ついうかがってしまう。そうしなければいけない雰囲気を夫が醸し出しているから」

無駄口を叩かないといえば聞こえはいいが、夫婦のコミュニケーションはとりづらい。世間話をしかけても夫はほとんど乗ってこないし、夫が何に心引かれているかもアキさんにはよくわからないのだ。

「スポーツニュースはよく見るので興味があるのかと思ったら、そうでもなさそう。オリンピックも家で見ていましたが、スケートボードがおもしろそうだねと言ったら、『そうかあ』で終わり。話が続かない。私と話を続けようという意志が感じられない」

楽しいことを重視するアキさんと、何かに一喜一憂することなく日々を淡々と過ごす夫。アキさんも最近では、夫に期待することがなくなった。

「夫に愛想をふりまいてほしいとは思わないけど、前はせめて子どもたちを笑顔にさせてほしいとは期待していました。でも今はもう期待していません。家庭は私と子どもたちで楽しくやっていこうと思っています。夫の機嫌を気にしていてもしかたがないので」

機嫌がいいのか悪いのか、それとももともとテンションが低いだけなのか。それにしても、やはり家族であっても人に対して不機嫌な態度で応対するのは決していいこととは思えないのだが。10年後、15年後に子どもが巣立ったとき、夫婦仲がどうなっているのか予想がつくだけに、夫は妻に歩み寄ってみたほうがいいのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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