年金・老後のお金クリニック

年金の繰り下げ受給を考えてますが、天引きされる介護保険とか健康保険も高くなる?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、年金の繰り下げ受給をすることで、介護保険料や健康保険料も高くなるのかという質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、年金の繰り下げ受給をすることで、税金や健康保険料も高くなるのかという質問です。
 

Q:年金の繰り下げ受給をすると、介護保険料や健康保険料も高くなるの?

「現在60歳で、年金の繰り下げ受給を考えています。年金から天引きされる介護保険料や健康保険料も高くなるの?」(60歳・読者)
 

A:繰り下げ受給して年金収入が増えると、介護保険料、健康保険料等の負担も多くなります

通常、老齢年金は65歳から受け取ることができますが、現在は60歳から70歳の間でいつ受け取るかを自分で決めることができます。

65歳より早く受け取ることを繰り上げ受給といい、ひと月あたり0.5%(令和3年度)減額されます。65歳より遅く受け取ることを繰り下げ受給といい、ひと月あたり0.7%増額されます。

令和4年(2022年)4月からは制度が変わり、令和4年4月1日以降に70歳に到達する人が対象になりますが、最長75歳まで繰り下げ受給を選択できるようになります。繰り上げ受給についても、令和4年4月1日以降、60歳に到達する人を対象として、ひと月あたり減額率が0.4%に改正される予定です。

令和4年4月以降、75歳まで繰り下げた場合は、65歳から受け取る金額に比べて84%多く受け取ることができますが、繰り下げている期間の年金収入がないため、貯金やアルバイト等で補う必要があるでしょう。
 
繰り下げ受給は、繰り下げる期間が長くなるほど、受け取れる年金額が多くなりますが、増えた年金収入の金額に応じて、所得税や住民税の負担が発生する可能性や、社会保険料(介護保険料、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料)の負担が多くなります。
 
また、介護保険や国民健康保険、後期高齢者医療保険の負担が多くなると、介護サービスや介護保険の自己負担割合も高くなります。繰り下げ受給をして、天引きされる税金や社会保険料は多くなり、年金収入が少なくなったとしても、老齢年金は生涯受け取ることができますので、安定した老後資金として有効です。

※年金プチ相談コーナーに取り上げて欲しい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
 

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【参考資料】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html
 
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