子育てが一段落したから……
タレントの石橋貴明さん(59歳)と女優の鈴木保奈美さん(54)の突然の離婚発表に驚いた人も多かったのではないでしょうか。
石橋さんと鈴木さんは1998年にバツイチ同士で再婚。23年間の結婚生活では3人の子どもをもうけ、今回別れることになりました。離婚の理由は「子育てが一段落した」とのこと。一番下のお子さんが高校を卒業したことがきっかけで離婚を決断。離婚を切り出したのは鈴木さんのほうから、という報道もあります。
熟年離婚に至る理由1. 積り積もった不満
一般的に、多くの熟年離婚の場合、妻から切り出すケースのほとんどは次の2つの理由です。
ひとつ目は、「積もりに積もった夫への不満」です。結婚生活が長くなればその分、夫に対して不満が募るもの。「ずっと私の話を聞こうとしなかった」「私の味方になってもらえなかった」「子育ても家事もワンオペで頑張ってきた」「長年のモラハラに耐えきれなくなった」「浮気に悩まされることに疲れた」など、数え上げればきりがないほど、熟年離婚を考える妻たちは夫に不満を抱えているのです。やがてそうした妻の不満が爆発すると、熟年離婚という展開になります。
熟年離婚に至る理由2. 夢の自己実現
妻から切り出す熟年離婚の理由のふたつ目は、「夢の自己実現」です。子育てに一段落つく頃になると、自然と自分の人生と向き合う時間を持つようになるもの。そうした時に頭をよぎるのは「これまで、やりとげられなかったことにチャレンジしたい」「これから挑戦してみたいことがある」といった思いです。
「大学院で学び直したい」「お店を経営したい」「外国に住みたい」「好きな仕事をしたい」など、時間やお金に余裕ができる世代だからこそ、夢を叶えることが可能になるでしょう。そんな妻の夢に対して反対や否定をしたり、バカにしたり怒ったりするような夫は、妻から三行半をつきつけられることになるのです。
鈴木保奈美さんの場合は?
ただし、今回の鈴木さんのケースは、同じ熟年離婚でも上記の2つのパターンとは異なっているようです。というのも、鈴木さんの場合、「頑張った自分へのごほうびとしての離婚」というニュアンスが感じられるからです。3人の子どもを育てるのは、想像するだけでも大変なことです。自分のやりたかった仕事をセーブすることもあったでしょうし、夫を支える妻として家庭を守ってきたという自負もあるはず。母として、妻として、20年以上頑張ってきたからこそ、54歳で残りの自分の人生を考えた時、自由を手にして新たな幸せに向かって舵を切りなおすという選択をしたのではないでしょうか。
「ごほうび離婚」は、それまで一生懸命に頑張ってきた人が手にすることができる選択です。もちろん、そこには夫の理解も欠かせません。夫と妻、両者の「今までありがとう」という感謝の気持ちがあってはじめて円満に離婚ができるからです。
まだまだ日本では少ない“大人の円満離婚”ですが、「ふたたび輝く自分を手に入れようと一歩踏み出すための離婚という決断もある」ということを、私たちに見せてくれたのかもしれませんね。