熊谷真実さんは「契約結婚」だった
今年の3月に離婚した女優の熊谷真実さん(61歳)が、じつは1年ごとに婚姻関係を更新する「契約結婚」をしていたことがニュースになっています。 熊谷さんは2012年に書道家の中澤希水さん(43歳)と結婚。当時、18歳という年の差も注目され、2020年に中澤さんの故郷の静岡県に夫婦で移住したことも話題になりましたが、結婚9年目にして離婚を決断。離婚について、熊谷さんは「将来的なビジョンの相違ですが、お互いにとってとても前向きな離婚」とし、中澤さんは「私のわがままからの結果」としています。「契約結婚」というスタイル
ところで、「契約結婚」という言葉を今回はじめて知った人も少なくないはず。夫婦によっていろいろな形の「契約」があるものの、熊谷さんの場合は、毎年結婚式を挙げた日にこれからも一緒に暮らすかどうかを決める、というスタイルだった様子。つまり、1年ごとに婚姻生活を継続するかどうかの話し合いがおこなわれていたということです。熊谷さんによれば、今年は離婚の数カ月前から夫婦喧嘩が増えたこともあり、「翌年、契約ならず」となったといいます。そもそも、なぜ「契約結婚」をするにいたったのか? 熊谷さんいわく、「私たちの場合は年齢も違うし、お互いにアーティストだし、年間契約もありだよね」という流れだと説明していました。
もちろん、それは事実でしょう。ただ、そこには年上の妻ならではの不安や思いやりが背景にあったと想像できます。私自身、24歳下の男性と結婚していた経験からいえば、まずは結婚を決める段階で「本当に私でいいの?」という不安がよぎるのは当然のこと。今は愛情を感じられるけれど、10年、20年たって、私はいわゆる“女ざかり”を過ぎている頃に、彼はまだ“男ざかり”。男性は、「自分の子どもを育てたい」という夢を持ち、叶えることも可能でしょう。
だからこそ、その時になってもずっと今のお互いへの気持ちが変わらずにいられるかどうかは正直な話、とても不安です。そうしたことや、相手への思いやりからも「あなたがイヤになったら、いつでも別れる覚悟はあるわ」ということを示すために、「契約結婚」をすることもあると思うのです。
もちろん、女性側にも契約結婚をする意味はあります。たとえば、自分が女性として妻として、それからひとりの人として、年齢を重ねるたびに成長できる点もそうです。結婚相手に愛情がある限り、「この人といつまでもいられるために頑張ろう」と自然と努力することが習慣になります。綺麗でいようとしたり、何かを学ぼうとしたりすることは、はじめは夫のためであるように見えて、じつはすべて自分の身になること。緊張感のある毎日を過ごすことで、結果的に充実した年月を重ねていくことにもなり、やがてそれは自分の自信につながります。
契約結婚にも向き不向きがある?
年上妻が「契約結婚」をする場合、向いているタイプを挙げるとすれば、どんな人でしょう。■その1. マイペースな性格である
まわりの意見はあまり気にせず、「自分は自分」と考えるようなマイペースな性格の人にはおすすめです。
年上妻の「年の差婚」の場合、夫となった男性は結婚後も「あんなに年上の女性って、どう?」「そんなに年上で話とか合うの?」などと、いいこと悪いこと含めて周囲から言われることも少なくないはず。同様に女性も、「そんなに年下の男性と結婚するのって勇気が要るよね」「年下だと、浮気が心配じゃない?」などと、夫婦の年齢にまつわる話題は避けられません。
その時、毅然とした態度をとれるかどうかは意外と大事なこと。「まわりがなんと言おうと、気にならない。なぜなら、この人と一緒にいたいだけだから」と思う気持ちが、愛情のある関係を継続させるポイントにもなります。
■その2. 自分や相手の年齢を重要視していない
もともと自分や相手の年齢のことを、それほど重要視していないタイプの人も向いています。
年上の女性の立場であれ、年下の男性の立場であれ、年齢をコンプレックスに感じていると、そこが二人の関係をギクシャクさせるきっかけになることもあるからです。結婚してから年月がたっても「どうせ私なんてオバさんだから」「どうせオレなんて頼りにならないはず」などと、いつまでも年齢に対するコンプレックスを持ち続けていると、「自分のことを信頼してもらえていないのだな」とパートナーをガッカリさせる原因にもなります。
年齢を自然に受け止めつつも、年齢のことより「こんなに可愛いところがある」「こんなに頼もしいところがある」といった相手のいいところに目を向けるスタンスでいるほうが、いつまでもいい関係でいられるのは間違いなさそうです。
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いずれにしても、結婚や離婚は本人の選択です。「年の差があるから」「契約結婚はイヤだから」と結婚をあきらめるのも人生ですが、「年の差婚でうまくいかなくなったけれど、楽しかった」「契約結婚は難しかったけれど、一緒にいられて幸せだった」と離婚を前向きにとらえてまた歩きはじめるのも素敵な人生だと思いませんか?