亀山早苗の恋愛コラム

妻というより奴隷の扱い…「稼いでいるのはオレだ」と威張り散らす不機嫌夫の経済ハラスメントが辛い

令和の時代になっても、「オレが稼いでいるんだから、おまえは黙って従え」と威張り散らす夫がいる。自分が選んで家族を作っておきながら、どうしてそんなふうに言えるのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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経済力が欲しいから、夫に内緒で収入を得て……

モラ夫

令和の時代になっても、「オレが稼いでいるんだから、おまえは黙って従え」と威張り散らす夫がいる。自分が選んで家族を作っておきながら、どうしてそんなふうに言えるのだろう。夫からの経済ハラスメント、暴言を我慢している妻の胸中とは。

 

月10万円で生活のほとんどをまかなう

8歳年上の夫とデキ婚して6年。現在、6歳と4歳の子をもつハナエさん(34歳)。もともと夫は彼女の上司だったため、最初から上下関係のある夫婦だった。

「夫は本当は結婚したくなかったんでしょうね。上の子のとき、夫が病院に来たのは子どもが生まれた翌日だったし、下の子のときは写真を送ったら、『顔を見たからもういいや』って。寂しかったですよ。他のママたちはみんな夫とニコニコしているのに……。うちは突然義母がやってきて、大きな声で『二人目も女の子? しょうがないわねえ』と。他に女の子を産んでいたママたちもギクッとした顔をしていました」

夫も夫なら義母も義母。ああいう母親だから夫は自分のことしか考えない人間になってしまったのかもしれないとハナエさんは嘆く。

「夫がいくら稼いでいるかよくわからないんですが、毎月、渡されるのは10万円。社宅だから家賃はいりませんが、食費はもとより雑貨、光熱費、携帯代、車の保険料や私の生命保険、上の子の習い事などすべてまかなっています。貯金ができないので、家電製品が壊れたときは私の独身時代の貯金を崩すか、実家に泣きついて助けてもらっています」

本来はハナエさんも働き続けるつもりだった。だが夫が上司だったため、「やめるよね」と夫に言われてやむなく退職した。夫が転勤族だったせいもある。

「夫のことはもともと苦手な上司だと思っていました。だけどあるとき、そんな関係になってしまって妊娠した。産みたいと思いました。同じ会社だったから、夫は責任をとるしかないと思ったようです。最初から愛情なんてなかったのかもしれません、お互いに」

それでもハナエさんはいい妻になろうと努力した。つわりがひどくても夫の好物を義母に習って作り、家の中もきれいに整えた。

「それでも夫はひどいときは、『おまえの顔を見ていると食事をする気になれない』と言いました。つわりで苦しんでいたときです。なのにつらくて寝ていると、起きて飯を作れと言う。這いつくばってキッチンまで行ったこともあります」

何かというと「稼いでいるのはオレだ」と言う。週末は趣味のゴルフやフットサルなどを優先させるため、子どもが生まれる前も生まれてからもほとんど家にはいない。

 

内職して貯金して、いつか夫を見返すために

下の子が3歳になったころ、ハナエさんは仕事を始めようと思ったことがある。ところが夫は大反対だった。それなのに友だちには「嫁が働かないから、オレは好きなものも買えないんだよ」とため息交じりに言うのを聞いたことがある。

「悔しかったですね。とにかく私自身に収入がないから、夫の言うことを聞くしかない。私が出ていくはずもないとわかっているから傍若無人に振る舞うわけです。経済力をつけたい。そこで最近、子どもたちが幼稚園に行っている間に、内職を始めました。エクセルを使えるので、日給5千円くらいにはなるんです。月10万黙って稼いで貯金し、子どもたちが学校に上がったらスキルを磨いてもっと稼いで、いつか夫を見返してやりたい。そう思っています」

ただ先日、パソコンに向かっていると突然、義母がやってきた。手元に資料などもあったのであわてて片付けたが、義母は「なんかヘンなことしているんじゃないでしょうね」と嫌みをチラリ。夫に告げ口されるかもしれないとハナエさんは身の縮む思いだった。

「ただ、夫は夫で投資などをしているようなんです。損をしていたら子どもの学費にも影響があるから、心配していますが、正面切って聞くこともできなくて」

同じ家に住み、ふたりとも子どもの親という立場でありながら、夫には「家族が大事」という意識がない。相変わらず趣味を優先させ、平日の夜は帰ってくるとゴロゴロしながらスマホでゲームをしている。子どもたちと話したりお風呂に入ったり一緒に遊んだりすることはほとんどないのだ。

「生活費だけの問題ではなくて、こういう父親をもった子どもはかわいそうなのではないかと今は思うようになりました。うちは兄夫婦が親と同居していて、私は実家には帰れませんが、それでも別居を視野に入れてもいい状況なのではないかと……。夫は機嫌が悪いと、理不尽に子どもに当たり散らすし。そういうことはやめてほしいと言ったら、『おまえの教育が悪いからだ』と怒鳴られました」

心穏やかに子どもたちと生活したい。ビクビクするのはやめたい。そう思いながらも、今はまだ我慢のときだとハナエさんは日々、自分に言い聞かせているという。

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