「生活感覚」の極端な違いが離婚に結びつく?
女優の吉瀬美智子さん(46歳)が、11年に及ぶ結婚生活にピリオドを打った。32歳でデビュー、35歳のときに10歳年上の実業家に猛アタックされて結婚したといわれている。7歳と4歳の女の子がいる今、シングルマザーとして生きることを選択したようだ。
一説にはかなりの潔癖症である彼女と、「片づけられない男」の夫の生活スタイルの違いとか、夫のいびきがひどくて寝室を別にしていたとかいわれているが、夫婦のことはわからない。ただ、一般論として、こういった生活感覚の違いがふたりの間に齟齬を生み、亀裂となっていくケースはあり得る。
夜型と昼型、さまざまなすれ違い
会社員のエリさん(42歳)は、結婚して11年。3歳年下の夫は飲食関係の工場で働いているため、生活は完全にすれ違いだ。8歳と4歳の子どもたちはエリさんがほぼワンオペ状態で育てている。
「夫は経営にも携わっているので勤務時間も長いんです。家を出るのは午後2時ころで、帰宅はだいたい午前2時くらい。完全に休めるのは月に2回あるかないか。仕事が大好きで、しかもまじめなので、いつでも仕事を抱えているんです」
とはいえエリさんも多忙だ。職場では中間管理職として上からも下からも圧迫されている状態でもある。
「5時には起きて洗濯や家事をすませ、上の子を学校へ送り出しがてら下の子を連れて保育園へ行って、そのまま出勤。帰宅するとすぐ夕食の支度をしながら子どものめんどうをみて、全部終わって寝るのは午前1時近くになりますね。私が寝入ったころ夫が帰ってくるという感じ。1週間くらい顔を見ないこともあります」
結婚するときからすれ違い生活になることはわかっていた。夫の進言で、最新の家電製品を取り入れたり、食材は宅配にしたりとなるべく手間はかからないよう工夫もしてきた。
「それでもときどき、『もうイヤ』となることもあります。しかも夫は、大らかといえば聞こえはいいけど、正直言うとだらしない。家事も育児もきちんとやりたい私と、『親がなくても子は育つ』『埃じゃ死なないよ』と言ってしまう夫、時間だけでなく、いろいろなことがすれ違うんです」
今はコロナ禍でエリさんは週3回ほどの出社になった。出勤時間がなくなったことで少し子どもたちとの時間は増えたが、一方で部下たちのメンタルケアの時間もとらなければならず、結果的に仕事に費やす時間は減っていない。
「夫は自分のことは自分でやってくれるので、なんとか夫婦関係は保っていますが、もうちょっと相談に乗ってほしいなと思うことはありますね。ノーテンキな人なので(笑)、何を言っても『大丈夫だよ』ばかり。夫と話していると自分が神経質すぎるのかと思えてくる。そういう性格の違いもときどきイラッとしますね」
夫のいびきや癖が気になって
「寝室を別にしても夫のいびきが聞こえてくるんです。もうこれ、ハラスメントですよね(笑)」苦笑しながらそう言うのはヒトミさん(40歳)。4歳年上の男性と結婚して10年、7歳になる双子がいる。
結婚してから、夫のだらしなさに驚くことが多々あった。週末、家にいるときはずっと同じジャージを着て風呂にも入らない。いびきに寝言に歯ぎしりがひどく、とても寝室を一緒にはしていられなかった。
「ものすごくいい人なんですよ(笑)。だけどそのいい人を上回るだらしなさが気になって……。爆音のいびきは健康上も心配だったので、しつこく医者に行けと言っているのに行かない。そういうところはイライラしますね」
他にも夫の“だらしない”癖が気になるというヒトミさん。たとえばバスルームの中である程度、水分を拭き取ってから出てきてほしいと何度も言っているのに、夫はいつもそのまま出てくる。だから、夫が入浴したあとはバスルームのマットもべちょべちょの状態。
「下手したら、ろくに体を拭かないままバスタオルを腰に巻いてリビングのソファに座る。ソファも湿ってしまうんですよ。文句を言うと、『ママはうるさいなあ』って。ダイニングのテーブルにやたらと手をつくので、テーブルは夫の手汗や手油でいつもテカテカしている。台ふきんで拭いてと言うと、適当にしか拭かない。四角い部屋を丸く掃くという典型ですね」
共働きのため、近所に住む夫の母の助けを借りてきた。
「私が離婚しないのは、この義母のおかげ。義母が何かと助けてくれて励ましてくれたから、やってこられたんだと思います」
今も夫の愚痴を義母にこぼすことがある。義母は息子を庇わないし、ヒトミさんに苦言を呈することもなく、淡々と聞いてくれるのだという。結果的に息子の欠点を補っている母ということになるのだろうか。
「義母にもしものことがあったら、夫への気持ちがどうなるのか、自分でも不安です」
いい人なのだが生活上の感覚が合わない。ヒトミさんの苦悩は続く。