交際10年、結婚3か月で破綻の「なぜ」

長い春

つきあいが長く、誰もが「あのふたりは結婚する」と思っているのに、なかなか結婚しないカップルがいる。そしてやっと結婚したと思ったら、すぐに離婚で周りを騒がせたりすることも。長くつきあっているカップルが結婚することに特別なリスクがあるのだろうか。

 

急に彼の家族が口出ししてきて

「つきあって12年たつので、お互いにわかり合っていると思い込んでいたんです。だけど実際に結婚して婚姻届を出したら、急に彼の親や親戚がふたりの関係に入り込んできて……。新居に招待しろとか遊びに来いというのはまだいいんですが、新居にやってきて『カーテンの色がおかしい』『うちではこんなインテリアの配置しないよね』とか、どうでもいいことを否定していくんです。新婚早々、気が滅入りました。これが結婚というものなのかとがっくり」

クミさん(34歳)はそう言う。就職活動をしているときに急速に親しくなった大学のクラスメイトと、互いに就職が決まってからつきあい始めた。友だち感覚に恋心が加わって、「ベースは人と人との関係」の恋は、長く濃く続いてきた。このままでもいいかと思っていた矢先、彼の父親の大病が発覚した。

「余命1年と言われ、結婚した姿を見せてやりたいというので親族だけで簡単な結婚式をしました。これだけ長くつきあっているんだから、結婚という形をとっても何も変わらないと思っていたんですけどね」

個人と個人の結婚なのに、どうしても相手の家族や親戚がふたりの生活に割り込んでくる。それが「結婚」なのかもしれない。

「義父が亡くなってすぐ、私と彼は離婚しました。彼が親や親戚に離婚したと言ったとたん、誰もうちに連絡してこなくなりました。本当は離婚届を出しただけで、今も同居しているんですけどね。紙切れ1枚のことなんだと痛感しています。私はすでに彼の妻ではなくなったので、彼らも私には何も言う必要がない、もう完全に赤の他人。そういうものなんだなと。まあ、私としては彼の親族に所属するつもりもないので、これはこれで気が楽です」

離婚届を出したことに、まったく後悔はないという。

 

わかっていると思い込んでいた

10年つきあって婚姻届を出したものの、3か月というスピード離婚をしたのは、ハナさん(33歳)だ。

「お互いに相手のことはわかりきっていると思っていたのが失敗の原因だと思う。実は何もわかってなかったし、わかろうと努力することさえ怠っていたんです。でもふたりとも、今さら努力する気さえ起こらなくなってしまった」

型にはまるのが嫌いなハナさんと、常識的な彼。お互いに自分にないものをもっているということはわかっていた。だが、それが日々の生活レベルの話になると、ふたりしていらいらが募っていった。

「彼は『こういうのって普通、奥さんがやるんでしょ』というのが口癖になっていましたね。それを聞くたび、私は『普通って何?』と問い返してしまう。私が脚立に乗って照明器具を修理していたら、彼が『どうして僕を頼ってくれないの?』と悲痛な声で言ったこともありました。自分でできることは自分でするのが当然だと思っていたけど、彼は頼られたかったみたい。なぜなら“男だから”。そういうのって面倒なんです、私は(笑)」

互いに相手を傷つけたくはなかった。だが毎日、つまらないことで目くじらを立てる日々が続き、先に疲弊したのは夫だった。

「僕の価値って何だろうと言い始めて。私は『生きていること。だれも同じだよ』と言ってしまったんです。普遍的な意味合いではいい答えだと思うけど、自信喪失して落ち込んでいる彼に言う台詞ではなかったみたい……。私と生活することは、彼にとってはマイナスだなと思い、やつれた彼に別れようと言いました」

つきあっているときは価値観や意見の違いがおもしろかった。だが、一緒に生活してみると、おもしろいと思うより先に「彼はうんざりして、私はめんどうくさかった」のが本音なのだろう。

「別れて1年、今はいい友だちに戻っています。私が何か言うと、彼が『生活しているときは、きみのそういう言い方で傷ついた』と言われますね。でも友だちであれば、彼はおもしろがってくれる。結婚という枠がお互いを不自由にしてしまっていたのかもしれないなと思います」

結婚しても関係が変わらないカップルも多いだろう。だが、つきあいが長いと「つきあっているときはよかったと思っていたところが生活上のストレスになりやすい」という側面もあるのかもしれない。
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