鉄道

首都圏でノスタルジックな旅が楽しめる! 実はすごいローカル鉄道旅3選(3ページ目)

コロナ禍にあっては、本格的な鉄道旅行はままならない。遠くのローカル線に乗りに行くのも無理な状況だ。ならば、近くの穴場的な路線で静かにローカル線気分を味わうのはどうだろうか? 今回は首都圏でのどかな雰囲気を楽しめるおすすめの「ローカル線」を3つご紹介しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

3. 東急世田谷線(三軒茶屋~下高井戸)

黄色い車両に出会うと幸せになるといわれている

黄色い車両に出会うと幸せになるといわれている

路面電車風の小型車両が2両編成で走る東急世田谷線。東急田園都市線の三軒茶屋駅で降り、地下道を進んで世田谷線の乗り場に着くと、その静かな雰囲気に癒されてしまう。レンガ造り風の瀟洒でヨーロッパのターミナル駅を彷彿とさせる駅構内も落ち着いて別世界のようだ。

・ヨーロッパ風のターミナル駅
世田谷線の三軒茶屋駅はヨーロッパのターミナル駅をイメージしている

世田谷線の三軒茶屋駅はヨーロッパのターミナル駅をイメージしている

電車に乗る前に「世田谷線散策きっぷ」340円を購入しておこう。世田谷線は乗車区間に関係なく1回150円なので、3回乗るだけでおトクになる。

・警報器も遮断機もない​​​​​​​、珍しい踏切
世田谷線名物の若林踏切

世田谷線名物の若林踏切

三軒茶屋駅を出ると2つめの若林駅到着前に環状七号線(環七)と平面交差する。自動車優先で、電車は一旦停止して信号が青に変わると進むという珍しい踏切だ。よく見ると警報器も遮断機もない。世田谷線が路面電車である証だ(法規上は鉄道ではなく軌道に分類される)。

・幕末に活躍した吉田松陰を祀った松陰神社
吉田松陰を祀った松陰神社

吉田松陰を祀った松陰神社

次は松陰神社前。その名の通り、北に向かって数分歩くと幕末に活躍した吉田松陰を祀った松陰神社がある。松陰の墓のほか、松下村塾のレプリカもあり、学問の神様を偲んで訪れる人は多い。

世田谷駅と上町駅は「ボロ市」が開かれるときの最寄り駅だ。代官屋敷のある郷土資料館や世田谷城址公園といった歴史に縁のあるエリアでもある。また上町駅には小さな車庫があり世田谷線の電車が休んでいる。

・緑色の古い車両が​​​​​​​ある
宮の坂駅前にある保存車両

宮の坂駅前にある保存車両

宮の坂駅前には緑色の古い車両が保存されている。かつて世田谷線で活躍し、その後、江ノ電で第二の人生を送ったものの里帰りした電車だ。昼間は車内見学もできる。また、踏切を渡ってすぐのところに豪徳寺がある。招き猫発祥の地であり、江戸幕府で大老を務めたものの「桜田門外の変」で暗殺された井伊直弼が葬られている。

・招き猫発祥の地「豪徳寺​​​​​​​」
豪徳寺の招き猫

豪徳寺の招き猫

こうした歴史にゆかりのあるスポットのほか、沿線にはお洒落なカフェや雑貨店が点在していて、休憩する場所には事欠かない(コロナ禍のため休業している場合があるので、ホームページで確認しておこう)。

・大人気の招き猫電車
幸福の招き猫電車

幸福の招き猫電車

また、10編成ある300系電車は、すべて塗装が異なる。幸せを呼ぶ黄色い車両のほか、豪徳寺に因んだ招き猫電車も人気で、東急のサイトには運転時刻が掲載されている。短い距離を行ったり来たりしているので、お目当ての車両は少し待てば折り返して戻って来る。乗ったり撮ったりするには好都合だ。
 
■主なアクセス情報
渋谷から三軒茶屋まで、東急田園都市線で4分(160円)
新宿から下高井戸まで、京王線で11分(160円)
 
首都圏には、エアポケットのようなのどかな路線が他にもある。今回は3路線を紹介しただけだが、東急池上線、東武亀戸線、西武多摩川線など名前だけ挙げておきたい。
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