2. 京急大師線(京急川崎~小島新田)
続いては、京浜急行電鉄(京急)の大師線。快特など長編成の電車が行き来する京急本線の京急川崎駅の高架ホームを下りると、4両編成の電車が待つ大師線のホームがある。昼下がりなら、それほどごったがえしてはおらず、どことなく長閑だ。昼間でも10分間隔なので、乗り遅れて途方に暮れる心配はない。・等身大の美空ひばりパネル 最初の停車駅は港町駅。ホームには美空ひばりが歌った「港町十三番地」の楽譜が大きく掲げられている。跨線橋を渡って南口に行くと、天井付近には楽譜のオブジェがあるし、改札口付近には等身大の美空ひばりのパネルにレコードジャケットも展示してある。かつて、北口には日本コロムビアのレコード工場があり、この地は音楽ゆかりの駅なのだ。
・柱が朱色の駅 鈴木町駅の次は川崎大師駅。駅舎の川崎寄りには京急発祥の地という記念碑がある。京急で最初に開通したのは、大師線だからだ。柱が朱色という川崎大師の最寄り駅にふさわしい造りの駅舎を後に参道へ向かう。和菓子や赤いダルマを売る土産物店が並び、こうした情景を眺めているとずいぶん遠くへ来てしまったような気になる。大本堂まで10分ほどかかるけれど、散策にはほどよい距離であろう。
・川崎大師の大本堂まで約10分 次の東門前駅を発車すると、2019年に完成したばかりの地下トンネルにもぐり、かつては産業道路駅と称した大師橋駅に着く。渋滞解消のため産業道路を横切る踏切を廃止するために地下化されたのだ。 トンネルを抜けると、再び地上に出て終点小島新田駅。駅前の歩道橋に上がると、広大な貨物ヤードを渡る。タイミングが良ければ貨物列車が発着するのを眺められるであろう。鉄道ファンなら30分や1時間いても退屈しないと思う。
・貨物列車が行き交う 各種研究施設が集まるキングスカイフロントという新たにできたエリアまで散策するもよし、折り返して大師橋駅で降り、駅名ゆかりの大師橋を渡って東京都大田区側に進み、大師線とは別ルートを辿るのも面白い。京急空港線に乗って、蒲田方面へ戻るなり、羽田空港に立ち寄り、モノレールで都心に向かうのも一興であろう。
■主なアクセス情報
品川駅~京急川崎駅、快特で10分(240円)
横浜駅~京急川崎駅、快特で7分(240円)
京急川崎駅~小島新田駅、9分(160円)