原因は地球温暖化?低気圧や台風が巨大化する傾向
気象庁のデータによると、年間の降水量はそれほど大きな増減はないのですが、「時間降水量」が100mm以上の「豪雨」の発生率がこの20年間で倍増しています。つまり、極端な大雨が降るようになったために、被害も年に何度も発生するようになったということなのです。国際的には「シビアウェザー」と呼ばれています。広範囲にこの傾向は見られ、ある地域では長期的な干ばつが続き、大規模な山火事の発生などが見られます。
これらは温暖化による海水温の上昇が影響を与えていると考えられ、そのために大気中の水蒸気が増加しています。台風や低気圧、前線は大気中の水蒸気が増えることでよりエネルギーを得て被害を拡大させます。
一昔前は前線が出来た程度で豪雨や洪水が起きるとは思わなかったのですが、近年は簡単に数100mmの雨が広範囲に発生し、河川は反乱、街は水浸しになってしまいます。
この気象の変化に市民はどのように対処したら良いのでしょうか。本記事では近年の大規模な災害につながってしまう台風対策、豪雨対策を紹介します。
台風や集中豪雨の被害に遭いやすい地域を知る
まず、気象災害は、その地域の地形や自然環境に関係しています。沿岸地域や河川の流域、傾斜地のある山間地域などでは台風や豪雨の影響を受けやすい場所になります。さらに豪雨や洪水が発生した場合は、その場所の「海抜」にも注意が必要です。自分の住む地域の災害リスクは自治体の発行するハザードマップで確かめて起きましょう。日本の気象情報は世界でもトップクラスの精度を誇り、台風の進路の解析や降雨予測は信頼性の高いものです。そのため、地震などの予測が困難なものと違い「被害を防げる」災害です。
台風などの発生時には、ほぼ72時間前にはコースや降雨量予測などが発表されます。準備や避難をするタイミングが示されます。
以下、台風が来ると事前にわかっているとき、豪雨が来ると事前にわかっているときに分けて、準備しておきたいことをまとめています。
台風が近づく前にやっておくべき5つの対策
まずは台風がくると分かっているときに準備しておきたい・意識しておきたいことは以下5つです。1.家屋周辺の確認
家屋の周囲にあるものを片付け、家屋内に取り入れましょう。マンションなどではベランダに物を置かないように。
2.雨戸の確認
雨戸を閉めることを忘れずに。雨戸がない場合は養生テープによる補強などで飛散防止をしっかりと。
3.防災グッズと備蓄の確認
停電などに備え、明かりなどの準備をしておきましょう。備蓄などの確認も忘れずに。
4.危険地域では移動の意識も忘れずに
河川の流域、傾斜地など二次的な被害の発生しやすい場所ではより安全な場所に早めに移動するようにしましょう。
5.安全の確保が第一
台風が接近してくる前に屋内へと避難し、通り過ぎるまで安全確保に努めることを意識しましょう。様子見などで外出することのないように。
台風発生時に知っておきたい5つの対策はTikTokでもまとめています。
@allabout_official
豪雨が近づく前にやっておくべき4つの対策
次に、豪雨がくると分かっているときに準備しておきたいこと・意識しておきたいことは以下4つです。1.危険地域では避難を意識した情報収集
河川の流域、低地、土砂災害警戒区域などリスクの高い地域では、避難を前提に気象情報に留意しましょう。
2.浸水対策
敷地内への浸水が予測される場合は土のうなど、被害を軽減させる措置をとりましょう。
3.排水の逆流対策
戸建て家屋一階では、排水の逆流などに備え、室内の風呂場や洗濯機、トイレなどの排水溝にビニール袋などに水を入れた「水のう」などでフタをしておきましょう。
4.様子見の外出は厳禁
雨量が強いタイミングで、様子を見るために河川や斜面などに近づかない。
豪雨発生時に知っておきたい4つの対策はTikTokでもまとめています。
@allabout_official
コロナ禍における避難所の今
感染症の蔓延により、各地の避難所は収容人員を減らし、スペースを空けるなど感染対策を施しています。地域に危険が迫り、避難指示や避難準備情報が伝えられたら、風雨が強くなって、道路が冠水して、避難が出来なくなるような事態になる前に、躊躇することなく、より安全と考えられる避難所へと早めに移動しましょう。
また、安全な場所が確保できたなら、風雨の最も強い時間帯は絶対に屋外に出ない、ということも重要です。