離婚

女性の6人に1人は再婚?「子連れ再婚」の幸せを左右する意外なこと

結婚した人のうち男性は約5人に1人、女性は約6人に1人が再婚している。再婚で幸せになろうと考える人、なかなか多いと思いませんか? 夫婦問題研究家の岡野あつこが、子連れ再婚について考えてみました。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

子連れ再婚は増えている!?

子連れ再婚

「男性は約5人に1人、女性は約6人に1人」

これ、なんの数字かわかりますか? じつはこれは、厚生労働省が発表している「すべての婚姻に占める再婚の割合」です。つまり、結婚した人のうち男性は約5人に1人、女性は約6人に1人が再婚組だということになります。再婚で幸せになろうと考える人、なかなか多いと思いませんか?

再婚組のうち、子どもがいる人の割合がどのくらいなのかは明らかにされていませんが、再婚する人が増えればその分、「子連れ再婚」をする人も増えていると考えられるのではないでしょうか。私のところにも、ステップファミリーの問題で相談に訪れる夫婦が増えているのはたしかです。

ステップファミリーとは、夫婦のどちらか一方、あるいは両方が、前の結婚のパートナーとの子どもを連れて再婚した時に誕生する新しい家族のこと。離婚をポジティブにとらえようと考える人が多いアメリカで、広く浸透しているスタイルです。

 

子連れ再婚後にお亡くなりになった竹内結子さんのケース

家族とのつながりやかかわり方が複雑になってくると、課題が生じるのも事実。それを私たちに教えてくれた事例のひとつといえるのが、2020年9月にお亡くなりになった女優の竹内結子さんでしょう。

竹内さんには、元夫で歌舞伎俳優・中村獅童さんとの間に生まれた中学生の長男がいます。2019年に俳優の中林大樹さんと再婚し、翌年には次男が誕生。中林さんには二人のお子さんが残されました。

週刊誌の報道によれば、中林さんは、二人の息子を育てることが竹内さんが望んだことでもあると、全力で子育てをしているとのこと。ステップファミリーとして力強く前に進んでいるようです。

一般的な子連れ離婚や子連れ再婚で考えると、子どもが中学生の場合、自分の意志がしっかりと主張できる年齢だとされ、子ども本人の意志をもっとも尊重するケースが多いもの。生みの親についていくか、育ての親と暮らすかは、子どもの意見を聞いて決めることがほとんどです。

中林さんの場合、竹内さんと子連れ再婚しようと決めた時点で、「(長男を)自分の子どもとして育てよう」と決意を固めていたはず。さらに、中林さんと長男が養子縁組をしていればなおさら「形」としても親子関係が強いものになっているでしょう。

 

「前の結婚相手との離婚の仕方」が幸せを左右する

ステップファミリーに生じる課題について考える時、ポイントになるのは「前の結婚相手との離婚の仕方」です。離婚はしないに越したことはありませんが、やむをえず離婚をするとなった場合でも、後悔しないためにもしっかりを離婚の覚悟を決めてから臨むことが鉄則。問題から逃げたり、感情に走ったりして離婚するのではなく、夫婦がお互いの責任や離婚後の生活、子育てについてきちんと話し合い、納得したうえで離婚することが基本なのです。

これがうまくいっていたのが、竹内結子さんの例でしょう。報道によれば、前の夫で長男の父親でもある中村さんは、子どもを引き取る提案もしたといいます。これができるのは、竹内さんとの離婚が円満だったからにほかなりません。中村さんにも新しい家族ができているにもかかわらず、前妻との子どもを引き取ろうという思いがあるということ自体、結果はどうあれなかなかできることではありません。

大事なことは、子どもたちが、生みの親も育ての親も含め、「自分を支えてくれる家族がみんな自分たちのことを想ってくれている」と感じられるかどうか。そこをクリアしているステップファミリーは最強です。竹内さんの二人のお子さんも、これからも二人の父親からの愛情を感じながら育っていかれることを心から祈っています。

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